従業員の話を聞く代わりに監視カメラを置いた企業

従業員と対立するか、信頼するか

従業員の問題行動にどう対処するか

時々、お客様である企業経営者からこんな相談を受けることがあります。特定の従業員が理解不能な問題行動をとる、というのです。ある企業においては、たとえば所定の機密情報の扱いについてたびたび指導しているにもかかわらず、社内ルールにのっとって扱わないというものがありました。ある企業においては、就業時間中ぼーっとしていて全く仕事をしない、というケースもありました。

いろいろとヒアリングをした結果、一度その従業員からじっくりと話を聞くことを進めることが多いのですが、案外それを実行される方は少ないようです。ある経営者は、「私は従業員の心理カウンセラーをするほど暇じゃない」といって社内にカメラを設置しました。従業員の行動監視用のカメラです。

確かにトラブルのあった時の証拠にはなるけれど

最近は、社員の行動を監視するカメラを設置している会社も結構増えているようです。はじめは、コンビニなどのレジにおいて、アルバイターがおかしなことをしないかを監視するようなものだったようですが、一般のオフィスでも設置されているケースは増えてきていると聞きます。確かにこれは、労使における訴訟などがあった場合には有効な証拠にはなると思うのですが、従業員側からしたらたまったものではありません。それは、「この会社は従業員を信用していませんよ」というシグナルになります。だから、常に心の奥底では、会社と従業員は全く逆の利害関係で働いているということになってしまいます。従業員はお金のために働き、会社はお金を払っているから働かせる。

つまり、お金だけの関係になります。この状態で、従業員に会社への忠誠心などを求めてもおそらくうまくはいかないですし、会社のミッションや理念のために働けといっても、説得力は低いかもしれません。

従業員のマネジメントは「急がば回れ」

同じ問題を繰り返しがちな経営者

確かに経営者は従業員の心理カウンセリングをやってる暇はないとおもいます。しかし一方で、彼らを解雇するとかしたところでおそらく次も似たような問題にぶつかることになります。それは私の経験上もそうですし、多くの経営者の話は大体共通しています。大事なのは、なぜ今目の前にこのような従業員が現れ、彼、あるいは彼女がそのようなふるまいをするのか、ということを真摯にとらえなければならないのだと思います。

ちなみに、冒頭でお話しした二つの事例は、当該従業員に退職するよう勧めたところ、あわや労働争議か、というところに話が大きくなったようです。いろいろな交渉ごとに心身とも疲弊した経営者をみると、初めから腰を据えて彼・彼女の話を聞いたほうがよほど楽だったかもしれません。

私たちはついつい性急に答えを求めがちですが、じっくりと腰を据えて対処したほうが中長期的に見てうまくいくことが多いのかもしれません。

googlerankfasterによるPixabayからの画像

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