星野リゾート 星野佳路氏が実践する方法
課題ごとに教科書を設定する
みなさんにとって、星野リゾートの経営というとどんな印象をお持ちでしょうか?私はけっこう大胆なことを次々とやるなぁ、という印象を持っています。しかし、星野リゾート代表星野佳路氏は、全て古典的なビジネス書を教科書とした結果だと言っているようです。
『星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則』(中沢康彦)には、そのあたりのことが詳しく記されています。
まず何か課題があるときは、本屋の片隅に1冊残っているような古いビジネス書を参考にすることが多いということです。これは比喩的な表現で、具体的には、学術的に分析され、エビデンスのあるビジネス書で、かつ最新のものではなく何年かにわたって売れ続けているものを教科書として選ぶのだそうです。
理由は、エビデンスのある研究は個人の経験値だけではないから再現性が期待できるということと、長年読み継がれているということはそれだけ成果が出ているということだと推測されるからだそうです。
教科書をチームに配布し議論を深める
ここは詳しく書かれていなかったと思いますが、何かしらの課題解決にあたる場合、そのチームには設定した教科書を与えます。それを読み合わせをするのかはわかりませんが、とにかく何か行き詰まりがあればその本に立ち返り、解決策を探すといいます。星野氏によると、必ずそこにはヒントがあるはずだ、と。
そしてとにかく強化賞に忠実に実践をしていく。そういったことを大事にされているようです。
教科書を基にした会議
共通言語をもって話し合う
こういった一冊の本をベースにすることで、チーム全員が共通言語を持つことになります。そしてそういったことから学んだことを土台として、何をどうやって行くかをしっかりとミーティングで明確にしていきます。この時に大事なのは「気づき」だといいます。
恐らくこういった過程を通じて、人を育てるということを同時に行っているのではないかと思います。
いつでも、言いたいことを言いたい人に言える社風は、こう言った会議からも作られてくるのでしょう。
実は私はこの一冊の本をもとにして、社内での共通言語というか、合言葉というか、そういった物ができることはとてもいい雰囲気作りができるんじゃないかと思います。どうしても経験者と新人の間にある溝があり、組織のフラット化が難しいのが古くからある会社の組織です。それが、その本に関して言えばみんながフラットな知識となるので、意見交換がしやすくなるような気もします。
そこでの星野氏のリーダーシップの発揮の仕方は絶妙だと思うのですが、そのあたりの雰囲気は関心のある方は実際の書籍を参考にしてみて下さい。
