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ある上場企業の支社長の話
コロナ禍で何もしなかった営業課の業績
先日、ある損害保険会社の支社長と話をしていました。コロナ禍において、会社の業績どうでしたか?と。その保険会社の支社は実は業績は普段のときより良かったそうなのです。
損害保険会社というのは、その配下に代理店を抱えており、代理店が営業をするという構図です。ですから損害保険会社の営業社員というのは、その代理店の営業をサポートする役割があります。
ですから平時であれば、頻繁に代理店を尋ねて、「もっとやってください」と尻を叩くのですが、コロナ禍でそれができなかった期間、代理店が自主的にできることをやった結果、業績が上がったというのです。
社内の営業担当者は大丈夫?
短期間の話ですから、「たまたま」という事もあるかもしれません。しかし、一方で、果たして損害保険会社の営業担当者は、どの程度の役割を果たしてきたのでしょうか。もしかしたら、そもそも不要な立場なのかもしれません。直接営業ならいざ知らず、間接営業です。そして、大したノウハウ化もされていない中での営業サポート。その中身の必要性がコロナ禍によって露呈されてしまったようです。
さて、では社内においてはいかがでしょうか。営業社員に、やれ!という管理職がいたとして、彼は会社の中で必要なポジションなのでしょうか。
自主性を重んじない組織の弱点
ほとんどの会社が陥るモチベーションダウン
小さな会社から大きな会社まで。あるいは、親子などの関係においてもそうだと思うのですが、最も手っ取り早く人を動かすのは、「強制」という方法です。やらなければこんな結果が訪れるぞ、と恐怖で相手を動かそうとしたりするパターン。これは、短期的には成果が出るのですが、中長期的にみると、どんどんやる気がなくなっていくことがわかっています。
一方で、金銭的な報酬で社員を釣る、という方法も有名ですがこれも効果は限定的で、逆に社内のモラルが低下する可能性があったりします。
競争を促すというのも、やはり社内モラルの低下を招きます。
多くのリーダーが夢に見る、「社員が自主的に動く組織」とは対極にあるマネジメント手法をとっているというのが現実です。
自主性を重んじる、ということ
近年、多くの企業においては、社員の自主性を重んじよう、という機運が出始めています。しかし管理職の人間の心配事は、そうやることが甘やかせになり、業績がダウンしてしまうのではないか?という心配です。
しかし、冒頭のように「何もしなかった」という経験をコロナで詰んだ会社は、余計な尻たたきがむしろ社員のモチベーションダウンにつながっていた、という事に気付いたりすることも多かったのではないでしょうか。
これはある意味機会でもありますので、ここで自主運営組織へのかじ取りを進めていくきっかけとして頂くのも一考かもしれません。
