OKR

モチベーションを上げる目標設定

アメとムチはもう古い?

社員のモチベーションを上げたい。そういう思いを持つ経営者は多いと思います。そこで最もよくとられる方法が「ニンジンをぶら下げる」という方法。それが「アメ」だとすると、目標達成できなかったときの罰を「ムチ」とする。昭和のころに流行ったマネジメントスタイルですが、今、心理学の世界ではこのマネジメント手法は、短期的には成果を上げることができる可能性はあるものの、長期的にはむしろモチベーションを下げてしまう、という事がわかっています。

比較的有名な心理実験ですが、子どもたちに絵をかかせます。ただ好きで書いている子どもはいつまでも夢中に描き続けるのですが、「ご褒美を上げるから書いて」といったグループの子供は、それ以降、ご褒美がなければ絵を描かなくなりました。好きで自発的にやる事を、やりたくない仕事にかえてしまった瞬間です。

いっぽう、ムチのほうもあまりいい方法とは言えません。彼らはムチを避けたくて仕事をしているので、「自発的」とは程遠い状態です。思いついた工夫も試さないような殺伐とした現場ができる事でしょう。それが露呈したのが、かんぽ生命ではないでしょうか。

ゲームのように仕事を楽しむ

今、OKRという目標設定・管理手法がちょっとした話題です。もともと、ジョン・ドーアという投資家がGoogleをはじめとするシリコンバレーの企業に教えた手法です。このOKRというのは、まず「O」、つまり目標(というか目的)を設定します。この目標は「ストレッチ目標」「10X目標」と言われるもので、普通に考えれば達成できないレベルの夢物語な目標を設定します。これを達成できればむしろ「野心が足りない目標だった」と叱られるそうです(苦笑)

Googleでは、7割程度達成できればかなり満足という感覚で設定する目標(目的)なのだそうです。これは、目標を達成できない場合の劣等感を植え付けない工夫じゃないかと思います。必死にこなすというより、ワクワクして課題に取り組む。難しいパズルに取り組むような感覚をチーム内に創り出す工夫じゃないかと思います。

つねにプロセスの改善が前提

通常と違うレベルの目標がイノベーションを生む

この「達成が難しい目標設定」には、別の意味もあります。今までと同じやり方では、達成は不可能、という事です。だから、やり方を検討します。このように、今までのやり方から、より良いやり方を模索していく中で、Googleはここまで成長したのでしょう。毎回取り組むことに新しさを追求するわけですから、会社の進化は止まることはできなさそうです。

さらに、少し高めの目標にチャレンジするとき、ひとはフロー状態(時間間隔を喪失するくらい夢中になり、平常時以上のパフォーマンスを発揮できる状態)に入りやすいと言われています。適度な難易度と、適度なリラックスの中で、人の創造性を高める工夫がなされているようです。

マメなフィードバック

そして大事なのは、やり遂げたことを比較的短いスパンでフィードバックを行うこと。OKRにおいては、目標に対して、その目標を達成するために必要な成果(KR)を設定します。この成果が出そろえば、Oは達成できるというものです。チームはこのKRの達成進捗状況をたとえば週1回程度の軽いミーティングで確認しあいます。そういったフィードバックがチームの緊迫感を維持し、前進する推進力となるようです。細かな状況確認、月次の進捗確認と方針の検討、四半期ごとの確認、とそれぞれのタイミングでやるべきことは変わってきます。

この時に大事なのは、うまくいかなかった原因を探すのではなく、うまくいく方法を探す方向へ会議を持っていくこと。さらには、このOKRと報酬制度は連動させないほうがいいと言われています。冒頭の話ではありませんが、報酬制度が絡んだ時点で「やらされ仕事」になってしまうからです。

このOKR、非常にシンプルですが奥が深い。実際に採用してもすぐにうまくいかないことも多いようですが、マネージャーとしては学んでみる価値はありそうです。以下に参考図書をご案内しますので、関心のある方はどうぞ。

Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR (メジャー・ホワット・マターズ) ジョン・ドーア (著), ラリー・ペイジ (その他)

OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法 
クリスティーナ・ウォドキー (著)

mohamed HassanによるPixabayからの画像

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