経営者は社内の「常識」をコントロールしよう

社風の正体

社風とは社内の常識!?

社風っていったい何でしょう。比較的よくつかわれる言葉であるにもかかわらず、実体のないものだけに「こうだ!」とズバリ説明できる人は少ないのではないでしょうか。

たとえば営業で伺ったお客様のところで、応接に通されたとします。はじめにお茶が出されます。そして打ち合わせが長引くと、コーヒーが運ばれてくる。帰りには社員全員でお見送りをしてくださる。ああ、いい会社だな、と思うわけです。こういったことが自然にできるのが、社風なのかな、と思うわけです。

その社風を醸し出すのは、私は、社内にある「常識」なのではないかと思っています。

そして、「常識」というのは、コミュニティの中にある多数意見です。つまり、社風を変えたければ、社内の常識を変えればいい。そして社内の常識を帰るには、社内で一定数の人が信じる信念を変えればいいのです。

簡単にはいかない?

先ほどの私に対する接客の話をするなら、お茶出しははじめの一回でOKという常識が社内にあれば、いくら打合せが長引いてもたぶんお茶を取り換えには来ないでしょう。逆に、1時間を超えたらお茶を入れ直すか、コーヒーなどをお勧めするかを検討するのが普通でしょ?と思ってる会社はそれが自然とできる。

それができるようになるには、ちょっとした折に、「こうしてもらえると嬉しいな」と気づいた人が言えばいいわけです。そうして、誰かがやり始めれば、それに対して感謝をします。さらに、他の人も真似をするようになります。次第に、それが当たり前でしょ?となっていきます。

マニュアル化までしてしまうのは良し悪しもあるでしょうが、社内の常識をそのように書き換えればいいのです。

助け合いの文化

競わせると社風は競争文化に

ここがジレンマなのですが、営業会社なんかだと、営業社員のパフォーマンスを引き出すために営業社員同士を競わせたりします。それがエスカレートしていくと、たとえばかんぽ生命のような問題営業を行うようになったり、社内で他人を蹴落とせ、という社風が出来上がってしまいます。競争を奨励しているのですから、当たり前と言えば当たり前です。

じゃあ、営業において協力関係を作り上げたいときはどうすればいいのでしょうか。たとえば、業績の評価をチーム別にするとか言うことが考えられるでしょう。しかし気を付けたいのが、人事評価と社風を一緒くたにしてしまうとあまりいいことが起こらないように思います。なぜなら、人事評価はその人の仕事の価値を金銭的に図ろうとするものです。それは義務化しやすいものになります。一方、社風を醸すのは、自発的な行動です。そうすると、人事評価とは相いれない次元のものではないかと思うのです。

社員同士が助け合うには?

では、社員同士が助け合うにはどうすればいいのでしょうか?そこはどうやら、会社が目指すべき方向性を明確にする必要がありそうです。会社が商品やサービス、仕事を通じてどんな世界を実現したいかが明確で、とにかくみんなでそこを目指そう!という事になれば、自然と助け合いは発生するように思います。

そのためには、会社がそこを目指すという「常識」を社内に浸透させなくてはなりません。じつは多くの会社はこれができていないのではないかと思うのです。会社のミッションや理念と、リーダーの言動が一致しないのです。となると、社員は個人の評価を高めるために動く以外、動機が見当たらなくなります。すると、残念な社風が染みついてしまうことになります。

案外、リーダーが会社のミッションにコミットし、それを社内の常識となるよう常に配慮していれば、案外社風はついてくるような気がします。もし、社風を変えたいと考えるなら、会社のミッションや理念を考え直し、そこに沿った会社運営を行うことが案外近道なのではないでしょうか。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

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