社員が自分の意見を言わないと頭を抱えるリーダー

数々のベンチャー企業を成功に導いたOKR

OKRとは?

巷で注目を浴びているOKR。これは目標管理の一つの手法です。従来の目標管理というのは、どちらかと言えば数値管理。数値を達成することが目的になり、その数値の意味を見失いがちです。卑近な話で言うと、たとえばかんぽ生命においては、無理な営業ノルマが不正な契約の温床を創り出したと言います。

一方で、OKRにおいては、数値絶対主義というよりそもそも最も重視するのはO(オブジェクト)であり、それは目指す目的そのもの。どこへ向かうのか?が明確であり、そのことを忘れることなく進もう、という仕組みが組み込まれている目標管理手法です。

この「O」は、定量的というより定性的。たとえば、「〇〇な状態を創り出す」といった会社やチームのミッションと言えるようなものを大前提に掲げます。シンプルであり、チームメンバーがコミットしやすく、チャレンジングなものを掲げます。最近私が耳にした中では、10倍目標という事で本来「この目標でいこう」というものを10倍の規模にする、というなんとも夢のある話がありました。

そして、KRはその「O」へ到達するために必要な、指標です。これは行動量と下ではなく、結果を数値化したものです。これもチャレンジングなものに設定し、達成できるようなものではなく、60%程度できれば上出来というレベルの指標を掲げます。

常に「目的」と「結果」に注目し、現実離れた目的にあ現実的な進捗管理をおこない、チームのパフォーマンスをストレッチさせます。そしてここで大事なのが、このOKRを「会社の評価制度と連動させないこと」とあるコンサルタントの方はおっしゃっていました。

高圧的な組織の中で人は育たない

さて、OKRそのものについては、別の機会にきちんと説明させていただくとして、今回はこのOKRという目標管理の仕組みと、会社の評価制度をなぜ連動させないかと考えてみたいと思います。

会社における人事評価というのは、社員それぞれを管理する仕組みです。会社が作ったルールにおいて、会社の都合でその評価がなされます。言い方を変えると、そこに自由度はない、という事です。

一方、OKRの手法が狙うところは、無理目の目標を掲げ、その無理目な目標にたいして自由に発想して、少しでもそこに近づいていくこと。つまり、会社そのものの業績もさることながら、組織の成長を促す仕組みです。そこには自由度が必要で、会社の物差しで人を図る、という要素を入れ込んでしまうと、発想の自由度がスポイルされる可能性があるからではないか、と私は考えています。

社員に任せきる

人は育てるのではなく、育つもの

実は私が最近感じることで、とても重要なことがあります。それは、人は育てるというより、育つもの、という事です。もちろん、仕事上の知識やスキルだけなら、「育てる」という表現もアリでしょう。しかし、社員一人一人が人間として、社会人として成長するために上司ができることはさほど大きくありません。しいて言うなら、任せて、責任をとることくらいです。

そうやってたくさんの経験を積ませ、自由に考えを口にできる場を作る。これが人が育つ環境じゃないかと思います。そういう意味では、OKRという目標管理手法は、人を育てるにはうってつけの部分もあるのかもしれません。なにしろ、どこへ向かうかを示し、そこへのチャレンジを何度となく促すのですから。

そしてKRにおいては、そもそも「完ぺきに達成できない前提」にすることで、失敗が前提になります。これはどういうことかというと、失敗を恐れないという場づくりなのではないかと私は考えています。

社員を育てようとしすぎると・・・

一方で、社員を育てよう、育てよう、と干渉しすぎるリーダーも少なからずいらっしゃいます。この場合、たいてい社員は育たない。むしろ、口を閉ざして、「正解」を探すようになります。この「正解」というのは、上司がもっているものと認識されがちです。これでは、上司のロボットになってしまいますね。リーダーシップというのは難しいものです。しかし逆に言えば、OKRでいうところのチャレンジングで皆がコミットできるOを設定できれば、上司の役割の半分くらいはクリア絵できているのかもしれません。

TeroVesalainenによるPixabayからの画像

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