リーダーが「ストーリー」を語る方法

ブランドには「ストーリー」が必要!?

役に立つか、意味があるか

今、日本はもので溢れているといわれます。そんな市場に対して、「役に立つ」商品が売れた時代は一段落し、「意味がある」商品が大事だ、と言ったのは経営コンサルティング・文筆家の山口周氏です。

「役に立つ」という事の代表的なアピールポイントはスペックです。「軽い」ノートバソコン、「燃費のいい」自動車、「安い」洋服、「調理の楽な」インスタント食品など。一方、「意味がある」というのは、芸術品と言われるようなフェラーリという自動車だったり、シャネルのバッグだったり。たとえば、移動手段としてなら、より快適な自動車、より信頼性の高い自動車はあるのですが、そんな自動車とは比べ物にならない値段でフェラーリは売られています。

機能そのものというよりも、それを所有していることに意味がある商品と言えるでしょう。

そして、「意味」を伝えるのは、物語であることが多いと思います。意味ある会社を作っていくには、そういったストーリーを語ることがリーダーに求められている、とは言えないでしょうか。

日常会話と物語の違い

普段友人と交わす会話にも、それぞれ特徴がある事にお気づきでしょうか?たとえば、まず結論から話す人もいれば、勿体就けてなかなか結論を話さない人もいる。また、話のつまらない人もいれば、どんな話をさせても周囲を盛り上げる人もいます。こういった話し方というのは、例えば親の影響を受けていたり、本を読む人はそういった情報の影響もうけているかもしれません。しかしいずれの場合も、たいてい無意識に、自分の「型」を持っていることが多いようです。

もし、社員だったり、仲間が、あなたの言葉にあくびをかみ殺して聞いているようであれば、話す際の「型」を変えていく必要があるかもしれません。

Toby ParsonsによるPixabayからの画像

シンプルなテンプレート

ABTテンプレート

とはいえ、あまり複雑なことを日々の会話で行うことは難しいと思います。むしろ不自然になりがち。そこで、非常にシンプルな「物語」のテンプレートをご紹介しましょう。これをABTテンプレートと言います。ABTというのは、
And(そして)
But(しかし)
Therefor(それゆえに)
という単語の頭文字です。

ABTテンプレートというのは、この順番に話をすることで、言葉がドラマチックになっていく、という言葉の順序になります。具体的に見てまいりましょう。

まずはこの文章を見てください。

今日私は寝坊しました。
飛び起き、服を着替え、朝食をあきらめて家を飛び出しました。
半ばあきらめてはいましたが、とにかく全力を尽くしました。
汗をかきながら駅に着くとちょうど電車が到着したところで飛び乗る事が出来ました。
結果、会社に遅刻することなく出社できました。

物事を単に時系列で並べた話し方です。

ABTテンプレートで話を作ると・・・

(前提)今日、私は寝坊をしました。時計を見て、もう会社には間に合わない。
そう思いました。

(And)そして、私はベッドから起き上がり、服を着替えました。
(But)しかし、なかば諦めているとはいえ、全力を尽くそうと服を着替え、朝食をとることもなく家を飛び出しました。
(Therefor)汗だくになって駅に着くと、そこにはのるべき電車が到着するところが見えました。私は会社に間に合ったのです。

いかがですか?どことなくドラマチックに見えませんか?実はこの話方は、「ヒーローズ・ジャーニー」「神話の法則」と呼ばれる、神話やハリウッド映画のストーリー構築、RPGのストーリー作成などにつかわれる物語の流れを簡素化したものです。

人の心を動かしやすい物語の流れと言われており、リーダーとしては例えば、マーケティングにおいて、また、社内での会社の方向性を語る際において、身に着けておきたいストーリーテリングの手法です。慣れるまでは戸惑うかもしれませんが、日々の会話の中で少し意識しながら話すと、相手の反応が変わってくるかもしれません。ぜひ、日々の会話の中に取り入れてみてください。

cocoparisienneによるPixabayからの画像

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