会社への帰属意識を高める方法

会社のロゴ入りパーカーに意味はない!?

会社のことを伝えるより・・・

新入社員研修において、会社の歴史や、成り立ち、ロゴマークの意味など、会社のことを話すことは多いと思います。ある企業では、会社のロゴマーク入りのパーカーを社員に渡したり、社員章なども会社への帰属意識を高めるツールとして使われているのではないでしょうか。

しかし、ある企業で行われた実験は、こういったことはあまり効果がなかったと言います。数年後の離職率や、当時の研修のことを思い出させてみても、何一つ記憶になかったという人はけっこう多いようです。

その実験の全貌をご紹介しましょう。

ウィプロ社における実験

2010年ブラッドリー・スターツ、フランチェスコ・ジーノ、ダニエル・ケイブルという三人の研究者により、ウィプロ(インドに本社を持つコールセンター会社)はある実験を行った。

STEP1.
新入社員を二つのグループに分ける

STEP2.
Aグループ:ウィプロのアイデンテティについて学ぶ1時間の研修を普通の研修に加えた。優秀な社員にあう時間を設けたり、会社の第一印象について語ったりする。研修終了後、社名入りのフリースのパーカーが参加者に配られた。
Bグループ:普通の研修に加えて、Aのように会社のことではなく参加社員それぞれのアイデンテティを考える1時間の研修を行った。「どんな時に幸せを感じるか?」「どんな仕事にやりがいを感じるか?」といった質問に答え、自分の個性を発見していく。研修終了後、社名だけでなく、自分の名前も入ったフリースのパーカーを受け取る。

7か月後、Bグループの社員は、Aグループに比べ250%も会社に残る率が高かった。何の条件も与えられない統制群と比べても175%高い。

THE CULTURE CODE最強チームを作る方法』ダニエル・コイル


ここからわかる事があります。それは、会社はどれだけ自分のことを大事にしているか?ということを社員は気にかけているということです。

Andrew MartinによるPixabayからの画像

会社のことを語るより社員のことを語る

誰もが大事にされたい

会社のロイヤリティを高めたいと、会社の事ばかり話す。これは状況を変えるなら、異性に自分の事ばかりを語ろうとする人に似ているかもしれません。しかも、自慢話を・・・。
そりゃあ、そんな人を相手にしたくないですよね。しかし、会社はそんなことをやらかしがちです。

一方好かれたいなら、相手に関心を持て。
人と人の付き合いなら当たり前のことが、なぜか会社と社員の関係では忘れ去られるのも不思議な話です。

会社へのロイヤリティを高めたいなら社員を大事にする

近年ESという言葉がよく聞かれます。顧客満足(CS)にならぶ、従業員満足という言葉です。これを高めることで会社は良くなる、と言われているのですが会社へのロイヤリティを高めることを考えると、ESを高めていく、という結論になりそうです。

そしてその方法は決して難しいことではありません。会社として、従業員一人一人に関心をもって接する文化を作るということです。ぜひ、社員の話を聞いてみてください。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

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