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相性の合わない社員を雇った際の悲劇
社風を乱したある社員
従業員数100人の職場であれば、新たに採用する社員が一人であれば1/100という影響度です。しかし、10人の職場であれば1/10 。何が言いたいかと言えば、社内に与える人の影響度は、絶対的な採用者の人数ではありません。小さな職場ほど、一人の人間でその雰囲気は激変します。
逆に言うと、10人程度の職場の社風など、一人の個性の強い社員の入社で吹き飛ぶことだって否定できません。
当社でも過去にいろんな社員を採用してきましたが、もう20年以上前の話になりますが、ある社員は経営幹部には内緒でマルチをやっていました。それを周囲に勧誘するので、周囲は警戒心から、社内の雰囲気は最悪だったりもしました。
誰とも会話をしない社員、いつもため息をついている社員、あるいはまったく人の話を聞かない社員。いろんな人が世の中に入るものです。
雇うまで分からない
ある中堅企業の採用担当者は、こんなことをおっしゃっていました。
「学生時代の活動なんかの話は聞きますけど、学生時代積極的にいろんな活動をしていたからといって、仕事でも積極的に活動するとは限らない。このことは、何人も採用して、その後の彼らの仕事ぶりを見てると、よくわかります」
結局、他に判断基準が見当たらないから、こういった面接での内容で採用を決めるようですが、「結局は仕事をさせてみたいとわからない」と結論付けておられました。
私の感覚としてもよくわかる話で、仕事の種類もそうですが、例えば周囲の環境も、その人間が活躍できるかどうかにおいては非常に重要な要素です。個人の能力も大事ですが、職場との相性もかなり大きな影響力を持つ、と私は考えています。

試用期間が形式的に終わっていないか?
一度ともに働いた人をやめさせにくい
そこで多くの企業では、試用期間を設けている事と思います。しかしこれが難しいところで、たいていの企業では「よほどの問題でもない限りそのまま本採用している」ケースが多くはないでしょうか。
雇われる側の人間に関しても、よほど困った会社でなければ、「まあこれもご縁だし」そのまま勤め続ける。この辺りは、男女の人間関係と似ていてはじめのうちは些細なことが、後々、大嫌いになる引き金になることが多いのですが…
合わない人が「辞めやすい」仕組み
ザッポスという靴の通販で急成長した会社があります。この会社では、新規採用者をポジションに関係なく、4週間の研修プログラムに参加させています。その中で大きなウェイトを占めるのがコールセンターによる顧客対応。そしてこの期間に退職を希望する者には、3000ドルのボーナスが支給されるそうです。
普通の給与にプラスして辞める人に3000ドル(1ドル100円とすれば30万円)ものボーナスを出すなんて!と驚くかもしれませんが、会わない社員が何年も社内にいることを考えれば、安いものなのかもしれません。
そうやって残った社員は、本当に会社への思いをもった人たちなのかもしれません。
