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事業の山と谷を決める要因
企業の成長を阻むもの
企業の成長を阻むもののうち、もっとも重要と思われるのが、人のマネジメントと考えられます。社員数が増えるごとに、マネジメントのステージは変わりますが、その対応ができないとき、会社の成長がストップする、というのは良くある話です。Googleなどの世界有数の企業が、人のマネジメントについてかなり詳細な研究をしているのは、恐らくそのことがよくわかっているからでしょう。
一般的な社員数を分類するとこんな感じでしょう。
・社員1~3人(在宅ビジネスの大部分)
・社員8~12人(リーダー一人とアシスタントの一段の非常に効率的な企業)
・社員40~70人(5~7人のリーダーが、それぞれ7~10人のチームを率いる。まだ全員が社内の全員の名前を知っている)
・社員350~500人(7人のリーダーそれぞれに7人の中間管理職が付き、その下に7~10人のチームがいる。実際には非常に効率的な企業)
・社員2500~3500人(7~10人のチームがもっと多くなる)社員数が上記のどれにも当てはまらない中間あたりに位置する企業は、少し行き詰まりを感じている可能性が高い。
スケーリング・アップ
そしてこの成長がスムーズにいくためには、「人に任せる」ということが必要になってきます。

社員数が10人に達すると…
社員数が10人に達すると、創業者は自分が得意ではない活動を人に任せなければならない。
スケーリング・アップ
50人になると、自分が得意とする役割まで誰かに任せなければならない!
多くの場合に、リーダーの強みは組織の弱みになる。
私の知る限り、これができない創業社長は多いような気がします。同じ年月、会社を経営してきて、類似の商品を扱っているにもかかわらず、上場した企業と町工場のまま終わりそうな企業があります。その違いは、技術力などというよりも、社長が仕事を任せたかどうか?というところに集約されるような気がします。
狙った規模を作るのと仕事を任せることの違い
大きければいいというわけではない
たしかに上場するような大企業は、非常に効率のいい状態になっていることが多いと思います。規模のパワーと言えるかもしれません。ただし、だんだんと時代的に規模のパワーが無効化されつつあります。限界費用が限りなくゼロに近づいている分野さえあるくらいです。
ですから、今からの会社経営を考えるにおいて、ただ大きくしよう、というのはあまりお勧めできません。
しかし、大きくしないのと、大きくできないのとは違った問題になることは認識しておいたほうがいいでしょう。
心理的要素が全て
仕事を社員に任せられない経営者は、たいていこう言います。「まだまだ任せるほどに社員が育っていない」と。そういう会社において、社員が経営者の期待通りに成長する確率はゼロでしょう。なぜなら、圧倒的に経験が不足するからです。仕事のうち、間違いを含めて経験する機会を得られずして、人が成長するはずもありません。
また、今まで経営者がやっていたレベルの仕事を期待するのもナンセンスです。ただ、それが実現できないからといって、社員に任さずにいれば、永遠にその会社は個人事業から脱却することは無理でしょう。
ここで必要なのは、経営者の思いきりと、ミスの責任は自分で受け止めるという経営者の胆力。ぜひ、覚悟を決めてください。
