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シンプルな指示ほど難しい!?
PCを選ぶときのむずかしさ
小さな会社だと、例えば社員のパソコンも社長が選んで買っていた、という時代があると思います。それを社長がやらなくなったとすると、一つは業者に任せるようになるか、社員に任せるようになるかのどちらかでしょう。
もし、社員を自立させたいのであれば、せっかくなので社員に任せてみるといいかもしれません。これだけでも、けっこう難しいものです。
パソコンといえば、スペック、メーカー、内蔵されるアプリケーション、形など、様々な検討要素があります。そして値段。それを使う本人である社員さん一人一人にしてみれば、自分の納得したものをゲットしたいわけですが、「自分で選んでみて」と言われた瞬間固まる方は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。
どこまでが許されるのか
パソコンの例を続けるとすると、やはり値段が高いものほど、いろんな機能も備わりますし、なによりデザインのいいものがけっこうあります。場合によっては、いまはWindowsPCだけど、Appleを使ってみたい、という要望もあるでしょう。しかし、実際のところ社員さんは、自分の希望通り買うことはまれです。
いやいや、会社としてはこういうことを期待しているだろうから、とか、社長はこういう意図を持っているだろうから、とかいろんなことを忖度し始めます。すると、どこまでやっていいかわからなくなっています。
例えばわかりやすい値段を考えても、10万円で都合しなければいけないのか、30万円くらいまでは許されるのか、そのあたりがまったく見えない…ということで、もしかしたら値段ごとのリストを作ってくるかもしれません。そうすると時間や手間は何倍にもなります。
そういったときに、上司としては許される限界をまず提示しておくのがいいと思います。たとえば、予算は15万円から20万円の間、日頃の業務の内これとこれはできることが必須で、それ以外はまったく感知しない、という感じでしょうか。するときっと社員さんは生き生きとPC選びのミッションに取り組まれることでしょう。

やりすぎも、やらなすぎもマズい
仕事を任せるのが苦手な経営者
中小企業の経営者は、私の知る限り人に仕事を任せるのが苦手な方が多いと思います。任せる、といっておきながら、あれこれ口出しをする人がかなり多いと思います。一方、口出しをしないことはたいてい自分がわからないことなので、そのことに関しては何から何まで丸投げだったりします。
社員さんからすると社長の意図を測りかねることがけっこうあるんじゃないかと思います。この辺りのコミュニケーションを意識すると、社内のマネジメントはずいぶん円滑となるんじゃないかと思います。
面倒くさいから任せない?
あと多いのは、値段の範囲設定や、自由度の設定を社員に伝えるという面倒くささにうんざりする経営者も結構多いようです。面倒くさいから自分でやってしまえ、と。結果として、いつまでたっても自分が忙しい、という経営者は結構いらっしゃるようです。ここはちょっと、腰を据えてやっておいたほうが良いところかとは思いますが、いかがでしょうか・・・。
20年、30年、ずっと社長が忙しすぎる会社はけっこうあります。そういった会社の社長は、面倒くさいから全部自分でやってしまう方なんですね。ですからぜひ、社員に任せるコツを会得していただきたいと思います。
そのコツは、どこまでやっていいのか、という限界を示すことです。参考にしていただければ幸いです。
