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言えない「不満」が蓄積すると……
従業員は何かをためている
その規模の大小はともかくとして、人は何かしらの不満をもつ物です。それは当然、職場を提供する会社に向けられることはあります。小さいことから大きいことまで様々ですが、たいていはそれが決定的になるまでには、相応の蓄積が必要です。
バケツに水がたまるように、少しずつ蓄積されていき、いずれそれが限界点を超えるとあふれ出します。それが例えば社内でのトラブルであったり、うつ病のようなメンタルヘルス不全であったり、社員のパフォーマンスの低下などとして表面化してきます。
会社のチームがうまく回る会社というのは、そういった不満を声にできる環境があるのではないでしょうか。
100%満足な環境はつくれない
本来なら、誰もが100%満足な職場環境ができれば理想なのかもしれません。しかし、環境に対する見方は人それぞれ。Aさんにとってのベストな環境が、Bさんにとってもベストとは限りません。つまり、誰にとっても満足できる職場づくりというのは、理想ではなく幻想、と言えそうです。
ならば必ず小さな不満をためるわけで、それをしっかりと吐き出すことができる状況を作るべきなのだと思います。そうすることで、多少譲り合いながら、相手を気遣いながら働くことができる環境となる、と言えるのではないでしょうか。

仕組みとして「何でも言える」場を作る
「Good&New」と「Bad&Old」
当社でも長年やっている、「Good&New」というワークがあります。内容はシンプルで、クッシュボールというボールをチームのメンバーに手渡し、それを手にした人が「24時間以内にあった良かったことあるいは、新しい経験」を発表するというもの。発表が終われば拍手で迎え、次の人にボールを回します。
こういった形で、誰もが平等に発表する機会というのは非常に大事なことで、たいてい会議でも発言する人としない人にわかれがちです。自分のことを発表するのであれば、慣れれば決して難しいことではないので、言葉を交わすいい機会にはなります。
さらに、神田昌典氏がお話ししていたのが、「Bad&Old」。組織としての不満がたまっているとき、それを抑え込んで「いい事」を発表させるより、まずは腹の立つことを吐き出す機会を持ったほうがいい、と言います。
差し呑みでもいい
お酒の好きな方は、差し呑み、少人数での飲み会を行い、とにかく愚痴を聞いてあげる、ということも大事です。あいてはただ聴いてくれただけでも、それなりに気分はいいものです。
もちろん、呑むか呑まないかは問題ではありません。要は、上司なり、経営者に対して、隔たりなくどんな話もできる関係が大事です。とはいえ、それでも部下にしてみればそういった言葉を口にするのは勇気のいることです。それを語ってくれることに対して、感謝の思いを持つことは上司として大事なことなのかもしれません。
上司というのは、正直なところ「人」としての成長が欠かせないように思います。こういった社員の思いを聞いたり、それをサポートしてあげたり。時には耳の痛いこともありますが、それを聞く姿勢を持たねばなりませんし、聴いてもらえるだろうと思える状況を作らなければなりません。
それは大変なことなのですが、上司に課せられた使命なのかもしれません。
