Googleの20%ルールを中小企業で活かせないか?

20%ルールは何を狙ったのか?

イノベーションのジレンマ回避説

たとえば、富士フィルムは生き残り、コダックは死んだ理由の一つに、富士フィルムは自分たちの本業を圧迫する技術開発を行い、発表したことがあります。それがデジカメです。じつはコダックも早い時期にデジカメ開発をしていましたが、それを市場に出すことはしませんでした。しかし、ソニーがデジカメを発表してまもなく、富士フィルムは「フィルム市場を圧迫する」ことを承知で、自社開発のデジカメを発表しました。

これは自分たちの本業を脅かす、破壊的イノベーションだと思うのですが、これを行えるかどうかで、企業が時代の変化に対応できるかどうかの分かれ目になるのかもしれません。

Googleは、自分たちの技術をしっかりと開発、改善するのと同時に20%ルールというものを定め、社員の労働時間の20%を強制的に「本来の業務とは全く違う業務」を生み出すことに当てています。それは、そういった破壊的イノベーションを起こし続けられる企業であることを目指した、制度だと言われているようです。

Simon SteinbergerによるPixabayからの画像

「自分で決める」ということがモチベーションの源泉

人のモチベーションのうち、重要なものの一つに「自発的」であり、「自分で選択できる」というものが源泉となるものがあります。たとえば、何かを強制的にやらされるにしても、選択肢がまったくない場合と、それがある場合では受ける印象はまったく変わります。選択肢が限定的であったとしても、「その中から選んだのは自分」ということで、自分の責任としてその仕事をとらえることができるからです。

この20%ルールはまさにそれを狙っていると考えられそうです。この20%の時間は何をやるのも自由。そういったところからモチベーションを奮い起こし、前向きに取り組むことが可能になると私は考えています。

中小企業にできるのか?

20%ルールでも週休3日でも

さて、中小企業にこれを応用することはできるのでしょうか?決して簡単ではないですが、私は不可能ではないと思っています。そう思ったのは、当社を週休3日にできないかな?と脳内シミュレーションをしてみたとき、意外とできそうな気がしたのです。

まず社員さんはみんな忙しそうにしていると思います。しかし、それが本当に忙しいかどうかは、見た目ではわからないものです。なぜなら普通の社員は、上司の前でゆとりなど見せないからです。それなりに忙しいそぶりをしていないといけない、と思い込んでいます。だから、まずは彼らの仕事量と、その結果生み出されるものの生産性をしっかりとらえる必要があります。

決して、小難しく作業時間を計測しなくとも、意識してチラ見しているとなんとなくわかるものです。普通社員さんは、「今でも十分忙しい」というふりをしますが、例えば「うまく回る見込みが出来たら、同じ給与で週休三日ができないかと思うんだけど」なんていうと、どんどん効率化を始めるでしょう。

まあただ、いきなり週休三日というのはちょっと怖い。ならば、その代わりに、一日を「日頃のルーチン業務ではなく、何かしら新しいビジネスやサービスを生み出す研究に当てる」よう義務付けてみるというのはアリかもしれません。

ずるずると実務に流されない工夫が必要

そういったことを考えても、数か月もしないうちに結局みんなルーチン業務をやっていた、ということになりかねないので運用には工夫が必要でしょう。たとえば、隔離できる環境を作るとかですね。

持ち回りで月曜はAさん、火曜日はBさんが、「一人こもりモード」という形でテストできればいいと思うのですが、できれば相談できるよう複数の人間が同時に20%ルールの実施をできればベターかもしれません。

やり方は工夫は必要でしょうが、社内からアイデアが出る一つの仕組みになるかもしれませんね。

Tim GouwによるPixabayからの画像

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