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採用面接はお見合いである
相手を知る努力だけではなく「自社」をアピール
採用面接の場について、慣れない担当者はどうしても「相手がどんな人間であるか」を見抜くことに意識が集中しがちです。確かにそれは大事なことなのですが、実は彼らも会社のことを見ています。一昔前なら、採用側の一方的な関所だったのですが、今やお見合いです。お互いが合わなければ、採用は成立しません。
一方で、その場しのぎのことを言っても、長く務めてもらうことが出来なければ意味がありません。企業側は、教育のコストを負担するわけですから、一定程度の定着が望ましい。しかし、入り口のところで、自分の会社を良く見せようとしすぎると、理想と現実のギャップで社員はすぐにやめていく可能性が高まります。
では自社をどう伝えればいいのか?
誇張することなく、ありのままを離すというのはとても大事です。また、経営者や経営幹部が何をどうしていきたいか、という思いを語ることは大事かと思います。それは会社の未来という意味があろうかと思いますが、もう少し社員に歩み寄った形で話をするとすれば、5つのFというカテゴリーで考えてみるといいかもしれません。

5つの「F」とは?
FIT,FAMILY,FREEDOM,FORTUNE,FUN
候補者が気にかけている5つのFとは、FIT(適性)、FAMILY(家族)、FREEDOM(自由)、FORTUNE(報酬)、そしてFUN(楽しさ)です。
ひとつめのFIT(適性)は、会社の持つビジョンや文化が、候補者の目標、長所、価値観と適合するかどうかです。話の中で、会社の方針とその候補者の資質がこう活かされるというイメージが作ることができれば面接は非常にいいムードとなるでしょう。
二つ目のFAMILY(家族)は、家族の精神的負担や家族との関係についてです。就職・転職という環境の変化は、家族にも影響します。転勤があるとかないとか、そういった事の候補者の希望と会社の事情のすりあわせはとても重要でしょう。
FREEDOMはまさに自由。候補者が自分で何をどこまで決められるかの自立性について話をしておくことはとても大事な要素の一つです。また、FORTUNE(報酬)については言うまでもなく、FUN(楽しさ)を相手の価値観に沿って話をしておくのはとても重要です。
重要な要素は募集広告においても有効
こういった5つの項目については、たとえばリアルな面接だけではなく、採用募集広告においても非常に重視すべき項目と思われます。候補者の基準や価値観としてこの5つの判断基準を持っているとすれば、予めそれを提示しておくことで、面接における手間がずいぶん省けます。
また、逆に言えば、こういったことが明確にされていない募集広告は、反応が薄い可能性も高いでしょう。人は知らないことがあればあるほど不安を感じるものです。その不安を事前に払拭しておくというのは、とても大事なことだと思いますがいかがでしょうか。
参考文献: ジェフ・スマートとランディー・ストリート『 「右腕採用力」養成講座 』