目次
どんな社員を求めているのか?
必要な人材の具体的な姿
中小企業において、人材の確保は非常に重要な経営課題です。なにしろ、一度採用してしまえば、法的には会社の都合で解雇するのはかなりリスクを伴います。にもかかわらず、多くの企業においては、社員採用を「カン」に頼っているケースは多いのではないでしょうか。
もちろん各社工夫はされているようですが、そのほとんどは「面接に来た人を知る工夫」であることが多いのではないでしょうか。じつは、「自分達が満足するのはどんな人材であるか?」を明確にするステップがすっかり忘れ去られているのではないでしょうか。
一般的に「優秀」とされる人でも、自分の会社に合わない人間はいるものです。人材の採用というのは、いわばマッチングです。自分たちが欲しいと思う人物像を明確にせずしてうまくいくはずがないのです。
「スコアカード」というアイデア
そこで、ジェフ・スマートとランディー・ストリートは、著書『 「右腕採用力」養成講座 』にて「スコアカード」という方法論を提案しています。会社に迎え入れる人材の設計図として、スコアカードを使うことを勧めています。
スコアカードには、
・ミッション(採用すべき人が果たす役割、その仕事が何のために存在するかの要旨)
・成果(採用すべき人材が役割において達成しなければならないこと)
・能力(仕事の達成において期待すべき能力)
と言った三つのカギが重要であると言っています。これらの項目をまずは明確にしたうえで、それらを指標に、採用すべき人材を評価することがスタートと言えます。

見えないリスクを見抜く
採用してはいけない!?危険な人物の見分け方
また、本書には採用面接において、こういった反応については、「その候補者についてまだ知るべき何かが存在する可能性が高い」と注意を喚起しています。
・過去の失敗について語ろうとしない
・回答を誇張する
他人の仕事を自分の手柄のように表現する
・過去の上司について悪く言う
・転職の理由をハッキリと説明しない
・候補者にとって重要だと思われる人物が候補者の転職を支持していない。
・仕事の内容より給与や福利厚生の内容に興味を示す。
・自分がエキスパートに見えるよう必死になっている。
・自分のことに夢中になりすぎる。
また、あるコーチングの大家によると
・競争に勝つことばかり気にする人
・(自分に)付加価値をつけたがる人
・面接中、「いいえ」「しかし」「とはいっても」といった言葉で会話を始める人
・自分は賢いと吹聴する人
・元同僚を酷評する人
・責任転嫁する人
・言い訳をする人
・「それが私」と主張したがる人
もう一度スコアカードに戻ってみる
様々な会話を面接を通して行ったら、いよいよ最終的な採用の決定という際、もう一度「スコアカード」の内容に立ち返ってみましょう。この人は、ミッションを満たす人でしょうか?成果を期待できる人でしょうか?会社の期待する能力の持ち主でしょうか?
そしてもう一つ、会社の文化にはあう人でしょうか?
そんなことを再確認しながら、採用を考えていきましょう。人の採用は企業側にとっても、社員側にとってもとても大きな問題です。その時の気分で左右されないような基準を社内にもっておくのは、必要なことではないでしょうか。
