経営の神様が採用面接でたずねた質問

中小企業に限らず、人の問題というのは多くの企業の悩みの種ではないでしょうか。社員教育に莫大な時間と費用をかけることが多いのは当たり前になりつつありますが、そもそも「教育で変わる」部分とそうでない部分があることは気を付けておきたいところです。

スキルとマインド

即戦力が欲しいと言いながら新卒採用にあこがれる経営者

中小企業の経営者とお話ししていると、多くの方が「即戦力」を求めておられます。とにかく即戦力が欲しいというのですが、一方で「新卒採用にチャレンジしたい」という矛盾したことをおっしゃる方も結構います。

新卒となれば、社会の常識からの教育が必要で、もっとも即戦力から遠い人材です。だから私はゆとりのない新卒をとるのは少人数のうちはあまりお勧めしていません。ある程度組織がしっかりできてくれば、新卒社員を一から教育するのもいいと思いますが、それができる体制がなければ手を出さないことです。

この矛盾を考えると、どうやら人材についてさほど戦略的には考えていない可能性が高いと考えられそうです。なんとなく雰囲気で、即戦力が欲しいと言ったり、新卒が欲しいと言ったり、ご自分の考えはどこにあるかが明確になっていないのではないでしょうか。

教育で伸びるスキルと、伸びにくいマインド

ご想像の通り、「スキル」は教育で伸ばすことが可能なものです。そしてそこで大事なのはわたしは順序だと思っています。とにかく仕事上で必要となるスキルに優先順位をつけ、覚えるまで集中的にトレーニングする。小さなことが一つできるようになったら次、という形での教育が最も実を結びやすいと思います。

なんにせよ、どんな人であれ、うまくトレーニングすれば程度の差こそあれ、伸びていくのがスキルです。一方で、マインドというのは動かすのが難しい。考え方なんて何が正しいという明確な指針はありません。そして人は、自分が信じることをそうそう変えることなどできません。じつはこのマインドの不一致があると、会社の中でその人は浮いてしまったりします。

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マインドを探るある質問

松下幸之助氏が採用で重視したこと

経営の神様と言われる松下幸之助氏。
このかたが、新入社員の採用に際して、とても重視したことがあるそうです。
それは。「君は運はいいか?」と聞いたとき、「はい」と答えた人しか採用しなかったそうです。

これは割と深い話だと思います。
そもそも、自分の運がいいと思っている人は、運がいいような視点をもっています。これは有名な話ですが、自分は運がいいと思っている人は、道に落ちているコインを見つけやすいそうです。もう、脳がそういうプログラムになっているわけです。

そしてそれだけではありません。運がいい、と答える人は物事の結果を「他人や状況のせいにしない」傾向があると考えられます。何かが起こっても運のせいにせず、自分で切り開くタイプの人間である可能性が高いと思われます。

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良い人を採用し、良い人に育てる

人には、「変わりやすい部分」と「変わりにくい部分」があります。ざっくりいうと、スキルは前者に当てはまりますし、人柄や物事の味方は後者に当てはまります。この変わりにくい部分をうまく見抜くことで、採用の失敗はかなり減っていく可能性があります。

しかし、採用の際の軸が定まっていないと、「ああ、この人はいい経験してるから即戦力になりそうだ」とか、目の前のことに揺らいでしまい、しっかりした選別ができないのではないでしょうか。

採用に際しては、まずは自分たちがどんな人間が欲しいかを明確にすることから始めたほうが良いのかもしれません。

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