「息を合わせる」という言葉があります。なんとなく、一体感を感じる気がするというイメージだけで、実質的な効果はないと思っている方も多いと思います。しかし、これ、実はとても重要なことなのです。
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同じ動きをすると協力関係が生まれやすい
スタンフォード大学の実験
スタンフォード大学、スコット・ウィルターマスはこんな実験を行いました。被験者を3つのチームにわけます。彼らには同じ曲を聞いてもらうのですが、こんな違いを設けました。
Aチーム:曲が流れているあいだ、歌詞を黙読してもらう。
Bチーム:一緒に大声で歌ってもらう。
Cチーム:一人一人ヘッドフォンをして、違うタイミングで聞きながら歌ってもらう。
この後、それぞれのチームの人たちが報酬を独り占めするか、山分けをするかを選ばせました。結果は、A、Cチームに差はなく、Bチームだけが山分けを選択する傾向があったそうです。
そういえばスポーツでも
たとえばスポーツチームでは、円陣を組んで掛け声をかけたりします。これは、気合を入れるという意味合いもあるのでしょうが、こういった同じ振る舞いを同時にさせる意図があるのかもしれません。また、軍隊などでは、団体での行進や掛け声、さらには歌を歌っての駆け足など、経験的に「チームで同じタイミングで同じ行動をする」ことの重要性を知っていたのかもしれません。
会社で活かすとすれば・・・
社歌斉唱や経営理念の唱和
自然な形で会社の中に取り入れようとしたとき、たとえば社歌の斉唱や経営理念の唱和というのも効果があるかもしれません。歴史ある企業がこういったことを継続しているのは、体感的にその効果を感じ取っているのかもしれませんね。
当社ではさすがに社歌はありませんが、経営理念の唱和は毎朝の朝礼の際にやっています。また、最近はやっていませんが、一時、朝礼時にラジオ体操をやっていたこともありました。
手軽に盛り上げる工夫
もうひとつ、当社で毎朝やっていることがあります。それは「ハート・ビート」というものです。詳しくは動画を見てみてください。
これは、まず自分の前で1回手をたたきます。
そして1回、パートナーと手を打ちます。
さらに自分の前で1回手をたたき、
次に2回連続でパートナーと手を打ちます。
自分の前で1回たたき、
3回連続でパートナーと手をたたく。
さらに自分の前で1回、
4回連続でパートナーと、
自分の前で1回、
5回パートナーと
自分の前で1回、
4回パートナーと、
自分の前で1回、
3回パートナーと、
自分の前で1回、
2回パートナーと、
自分の前で1回、
1回パートナーと・・・
という風に、自分では1回だけ。
パートナーとは、1回、2回、3回、4回、5回、4回、3回、2回、1回という風に増えては減っていき、終了です。
当社では毎朝このワークをやってから仕事に取り掛かります。
朝から笑いが起こったりして、社内の雰囲気を高めるにはいい方法だと思います。
むずかしい事よりもシンプルな習慣
さて、こういった「小技」は、劇的な効果というよりも、じわりじわりと小さな変化を生むにとどまります。だからついつい、続かないことも多いのですが、小さな効果の積み重ねというのは、苦労も少なく、難易度も高くはありません。難しいことをチャレンジする前に、こういった誰でもできることから始めていくのが良いのかもしれません。
もしよかったら、さっそく明日から試してみませんか?
画像提供元Henning WesterkampによるPixabayからの画像