企業に負担のない退職金制度~選択制確定拠出年金

人材不足が叫ばれる中、中小企業と言えども福利厚生制度を検討する必要性はますます高まってきています。とはいえ、かつてのバブル経済のようなカネ余りの時期ならいざ知らず、カツカツの状態で経営する中においてはなかなか企業負担を増やしたくないのも事実。そんな時に検討したいのが、選択制確定拠出年金です。

確定拠出年金とは?

三階建ての企業年金の代打

サラリーマンにおける年金制度は三階建てと言われています。1階部分は、国民年金。2階部分は厚生年金。そして3階部分は企業が独自に準備する企業年金です。かつては、この企業年金部分は確定給付年金が中心でした。つまり、給付額があらかじめ決まっているものです。

しかし、近年の運用環境からすると、運用がうまくいかず、確定給付、つまり当初約束した給付額に及ぶ運用が難しくなってきました。そこで、給付額を定めた年金ではなく、拠出額、つまり掛金を定額とした年金(いわゆる401K)が主流になりつつあります。これを確定拠出年金と言います。

企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金

この確定拠出年金(日本版401K)について、個人型がiDeco(イデコ)と呼ばれるもので、個人が個人の裁量で拠出する形のものです。一方、企業型と呼ばれるのは、一定のルールのもと拠出を企業が行うものとなります。

企業にとっては拠出金は損金として処理します。したがって、税制上の恩恵を受けながら従業員の将来の退職年金を積み立てることが可能となります。

選択制確定拠出年金とは?

従業員が拠出額を決められる

選択制確定拠出年金は、「選択」とあるように、従業員が拠出の有無・拠出額を決めることができます。会社側が、制度として導入をしていれば、従業員に選択がゆだねられるのです。

会社としては、特段の支出をすることなく福利厚生制度として導入が可能です。

簡単な仕組みをご説明します。
まず、労使間で合意のうえ、給与体系を変更します。

具体的には、下図のように基本給を、基本給と生涯設計手当に分けて支給するようにします。

 

 

 

 

従業員は、この生涯設計手当のうち、自分で決めた金額を確定拠出年金に拠出することができるようになります。

選択制確定拠出年金導入のメリット

費用負担なく福利厚生制度を導入できたり、従業員の生涯設計への寄与が出来たり、という制度そのもののメリットがあります。実際には従来の給与の支払いの範囲内での拠出なので、企業側の負担感はありません。さらには、生涯設計手当のうち、確定拠出年金へ拠出する額は社会保険料の算定対象から外れます。つまり、社会保険料が削減されることになります。社会保険料は労使折半ですから、従業員側、企業側ともにメリットを享受できます。

従業員においては、税制上のメリットもありますので、銀行などでの積み立てなどとは違うメリットがあります。

選択制確定拠出年金導入のデメリット

従業員側としては、拠出したお金は一定年齢までは引き出すことができません。また、社会保険料の支払額が減るということは、社会保険の給付を受ける際の影響は避けられません。こういった部分は、導入前に従業員への説明、理解を得ることが必要となります。

企業側としては、これを退職金制度の代わりとした場合、従業員の退職理由のいかんにかかわらず支払われる(もしくは持ち出せる)ことになります。退職金制度設計においては、これをベースに別途戦略的な検討が必要と思われます。

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