教えたいことを教えていないか?OJTでやりがちなミス

新入社員教育はどんな人に育てたい?というイメージから始めよう

新人を使えない社員にしかけたある失敗

私どもは保険代理店なのですが、新入社員を事務に採用した時、メーカーである保険会社がこんなことを申し出てくれました。社員の教育をお手伝いしますよ、と。その社員はまったくこの業界の経験がない人なので、基礎的な知識を教えてくれるなら大歓迎!とばかりにお願いしました。

しかし、そのお願いははじめの1日でお断りさせていただくことにしました。何故なら彼らは、「自分達が売ってほしい商品についてのレクチャーを延々とやっていた」のです。

保険の事務というのはとても複雑で、なん十種類の保険商品ごとに事務手続きが違うことがあります。私たちの思いは、いち早く実践で使える社員にすること。しかし保険会社の思いは、自分達の一押し商品を教えることが最大の目的だったようです。

何を覚えればひとまずは一人で仕事ができるようになるか?

たとえば、私の会社においては、お客様からのお問い合わせの8割以上は自動車保険に関するものです。また、すぐに処理する必要のある緊急の内容と言えばやはりほとんどが自動車保険です。逆に、自動車保険のお問い合わせにある程度対応できるようになれば事務所で一人で留守番することも可能になります。当時の私にとっての第一段階のゴールはそこです。

一方、メーカーがやりたがる新商品の知識の研修を幾らやったところで、何一つ当社にとって意味のない動きではないかと思います。なぜならば、そんなお問い合わせはいくら待ってもやってこないからです。対応すべき仕事と、教育内容のアンマッチがそこにあります。

とりあえずあれもこれも、と詰め込んでいないか?

教える順番も大事

中小企業において、社員を時間をかけて悠長に温室で育てるというのはなかなか難しいと思います。すぐにでも即戦力として仕事をカバーしてほしいと思うのはよくわかります。だからついつい、あれもできるように、これもできるように、といろんなことを欲張って教えがちです。

しかし、教えられる方はたまったものではありません。とくに、マニュアル通りに進むことばかりならいいのですが、どんな仕事にも例外は必ず紛れ込みます。またトラブルなどで中断される仕事もあるでしょう。出来ればそういったことを一通りできるようなところまで教育できれば、その人はとても狭く小さな分野ではあっても仕事の上で独り立ちできます。

中小企業においては、まずは先輩の手を煩わすことなくできる小さな仕事をひとりでできることから始めるのが、お互いにとっての心理的負担も含めてよいのではないかと思いますがいかがでしょうか。あれもこれも教えるというよりかは、はじめは狭いジャンルの仕事を集中して教える。その方が効率よく覚えてくれると思うのですがいかがでしょうか。

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