業務効率化を行う際のたった一つの質問

システムを入れればいいというものではない

おかしな作業がシステム化で加速する!?

ある経営コンサルタントが面白いことを言っていました。バカな業務をやっていた企業が、新しいシステムを入れるとバカが加速する、と。非常識を売りにしていたコンサルタントの言葉なので、かなりトゲがありますが、真理を突いているように思います。システム化神話があって、古い話になりますが、かつて多くの経営者は「ホームページさえ作れば問い合わせがじゃんじゃん来る」と誤解したものです。また社内で起きている問題も、社内の仕組みをシステム化すると解決する、と信じて疑わない経営者もいまだにいます。しかし大事なことは、システムはやるべきことを簡略化したり自動化したりしてくれる側面はありますが、問題を自ら解決してくれるわけではありません。

余計な作業をさせるためのシステム?

ある企業が、結構な費用をかけて社内の管理システムを一新しました。そこで何が起こったかというと、誰もそのシステムを使わないのです。しばらくの間そのシステムは塩漬けにされ、ある時リストラの一環としてそのシステムの利用は停止されました。悲しいかな、システムはコマンドを入れればその通り動いてくれますが、人間はそうはいきません。命令に常に忠実化といえば、そうでもないことが多いのは残念な事実です。

まずは作業一つ一つの目的を見定めよう

「その作業の目的は?」

仕事の効率化を行う中で、最も手軽で効果的なものは、作業一つ一つの目的を明確にしていくことです。たとえば、事務作業においては、かつては大事だった作業も、今は実は何の意味もないことを、代々引き継いでやっているということもあります。あるいはしょるいのせいりひとつとっても、今や不要となっているものもあるはずです。

私どもでもそのようなことがありました。法的な制限があり一定程度の書類を神として残す義務があるものがあるのですが、それを即座に出せるように丁寧にファイリングしていたのです。この作業、かつては大事な意味を持っていました。なにしろ、お客様から問い合わせに対応するためにはその書類をめくり、中身を確認する必要があったからです。しかし今やその中身はシステムの中にデータとして入っていますし、書類の内容もPDFで保管されています。タイトルのつけ方を工夫しておけば検索でいくらでも探し出せます。だから、紙の書類を分類し、整理してファイリングする必要はなくなっていたのです。このことに気づいてから、彼らの業務の3割ぐらいは不要となり、神は一つの箱の中にただ順番気にせず保管されているという状態です。

まずはいらない作業と業務上の優先順位を決定する

作業の目的が明確になれば後は優先順位の決定です。いざというときにその書類を即座に出せるようにすべきか、そうでないのか、などですね。たまに書類を見ることがあるくらいなら、その球の機会に時間をかければいいだけで、毎日の作業量を増やす必要はないわけです。そういった割り切りを行っていって、社内の業務全体をまずは整理します。システム化を検討するのはその次なのではないかと思います。ホームページを出したら途端に問い合わせが増えるなんてことがないのと同様、入れた途端に効果を発揮するシステムというのはなかなかお目にかかれないものですから。

Chris StermitzによるPixabayからの画像

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