上手い話には誰もが群がる~副業の難しさと中小企業の10年未来

フランチャイズや副業を始めるなら

自社のリソースと市場を見比べる

最近はいろんなフランチャイズの広告を目にすることが多いような気がします。一定のノウハウを持った本部の指導で、安全確実に新しいビジネスを立ち上げよう、という話です。広告文を読んでみると、その業界の市場規模がどれだけ多いか、現時点での参入者がどれだけ少ないか、そしてこのビジネスがどれだけ効率がいいか、などを数値化して見せてくれているものも多いようです。

さて、こう言ったビジネスにおいては基本的なパターンがあります。低資本で参入できる(つまり参入障壁が低い)ビジネスは、仮にそのビジネスその物が優良で市場に相応のニーズがあったとしても、うまくいく確率は決して高くはない、ということが予想されます。

なぜなら、ライバルの数が圧倒的に増えるからです。

かつてプレイヤーが増えすぎた市場

じつはわたしども、保険代理店の市場というのがまさにそんな感じでした。かつて自動車がこれから普及し始めるという時、保険代理店がどんどん増え始め、約20万店を数えるに至りました。コンビニでさえ5万店程度と言われる中で、異常な数字です。その理由は、何の元手も必要なく、電話とパソコンがあれば始められるビジネスだからです。

それでも、保険という商品は販売するのに結構相応のスキルが必要になりますから、100人の人がこの世界で起業しようとしても5年後、10名も残っていないのがよくあるパターンです。まだこの業界が上り調子だった時代でさえそんな感じですから、今となっては次々と吸収合併されていく店が多数。

市場に成長力があり、参入障壁の低いビジネスは、起業しやすいとはいえ、それでも結構な労力は必要ですし、また長く生き残っていくのは競争にさらされる中では非常に大変であることがよくわかります。

つまり、そうそうおいしい話はないように思います。
もちろん身軽な経営者は、今まさに旬な事業を次から次へと立ち上げては売却し、立ち上げては売却し、という方がいらっしゃるのも事実です。ただ、そう言うことができる人は決して多くないのかもしれません。

何をやるにしても相応の注力は必要

中小企業の多角化がうまくいきにくい理由

よくうかがうのは、中小企業の多角化はあまりうまくいかないという話です。たいてい多角化を始めると崩れ始める。そんなジンクスがあるようですし、なるほど、私もそんな例をいくつか見ています。

しかし一方で、少し古い書籍ですが、日本のトップ100社の業績を100年さかのぼって分析した『会社の寿命―盛者必衰の理』(日経ビジネス編集)によると、会社の売上の内本業比率が70%を超えると会社は危険ラインだといいます。

このデータは大企業のお話ですが、中小企業も全く無視できる話ではないと思っています。だいたい30年もすれば会社の主力商品やサービスは経年劣化をおこします。市場から撤退するその時までに、次の時代を担う商品・サービスを育てなければならないのは企業の大乗にはあまり関係がない話だと思います。

しかし残念ながら中小企業には、現在のビジネスから外れたところのことを腰を据えて何年もかけて育てるほどの人的・経済的リソースが足りないという状況はあろうかと思います。副業的に何かを始めるにしても、それなりに一生懸命やらなければ、そうそうビジネスにはなりにくいものです。しかも、既存の顧客などがあるからその時間は多少短縮できるかもしれませんが、ビジネスがそこそこ社内に定着するには5年や10年はかかるものです。

ならばこそ、ですが、一日も早く後継者をそういったことに向かわせるよ意識が必要なのではないかと思います。

ながいみらいをかんがえるなら、今から10年後の仕込みをする必要があります。

fancycrave1によるPixabayからの画像

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