リアルな小売店は高く少なく?

自分達の社会のなかでのすみわけ領域を考えてみる

効率の限界に来ていた?

人の消費というのはどんどん効率が良くなってきて、もう「まったく意識しない消費」というところまであと一歩という状態まで来ました。具体的には、Amazonダッシュと呼ばれるボタンを押せば、いつもの消費財が届くという流れはもはや買い物というより、習慣と言ってもいいかもしれません。ライバル商品との比較さえすることもなく、ただ、切れたからか購入する。買い物をここまで「無意識に行わせる」ところまで来たのは一昔前から考えると恐ろしいくらいです。

買い物を「無意識の行為」にする中では、商品ごとに購入先を変える事はあまりいいことではありません。同じ窓口から帰ることが必須でしょう。結果としてAmazonは大きくなり、一般の小売業はずいぶんと苦しい戦いを強いられているのが現状と言えるかもしれません。

中小の小売が考えたいこと

小さな規模の小売業が、じゃあ今からデジタルシフトだ!とか言ったところで、たぶん、Amazonと闘って勝ち目はありません。いまからAmazonの利便性と品ぞろえを実現するなんてそうそうできるものではありません。もちろん、何か面白いアイデアを持ち込むならその限りではありませんが、そこそこの資金力が必要になってくるのは間違いないでしょう。

では、中小の小売業を営む私たちは何ができるでしょうか。それは、たぶん、買い物の手間を省くのではなく、買い物の時間を価値あるものにする、ということなのではないでしょうか。それを具現化した企業の一つがたとえば、ビレッジ・バンガードだったりするのかもしれません。
よくわからない品ぞろえの店なんですが、いつも人が一杯です。ここには、「欲しいあの商品を探しに来る場所」ではなく、「何か面白いものを探す場所」ではないでしょうか。何を買いたいかわからないけど、何か面白いものを手にしたい。そんな人が集うお店なんだと思います。

ただの本をエンターテイメントにしたカリスマ書店員

文庫本X

書店に頻繁に足を運ぶ方なら、一度は眼にしたかもしれません。数年前に、「文庫本X」と言われる本が爆発的にヒットしました。なかみはあるノンフィクションだったのですが、表紙は見えない形でカバーがかけられ、カバーには書店員のこの本に対する重いが所狭しと印刷されています。

たかだか1,000円にも満たない文庫本ではありますが、タイトルも著者も、中身もわからない本を多くの人が買っていき、それまでほとんど売れなかったノンフィクションが超ベストセラーになりました。これはまさに、お客様を巻き込んだエンターテイメントだったのではないでしょうか。中身はAmazonでも買うことのできる本ですが、わからないまま買うというアトラクションを顧客は楽しんだのではないかと思います。

こういった工夫がきっと、中小の小売のみならず様々な業種に求められているように思います。そこそこいいもので安定した量を、安定した価格で、効率よく提供するのが大企業ならば、中小企業はある意味ゲリラ。アイデアと機動力勝負なのではないかと思います。

ヒットそのものはうれしいけれど

この話、「ヒットが生まれた」ということにフォーカスしてしまうと結局料を売ってナンボ、敵話になりがちです。けど本当に大事なことは、どこでも買える一冊の本を、一つの書店が、一人の書店員が、特別な本にしてしまったところがとても大事だと思うのです。

実はこれからの中小の小売は、安いものをたくさん売るというより、良いもの、高いものを少しだけ、という感性を持つ必要があるのではないかと思うのです。決して高級品でなくとも、たとえば100円のニンジンを売るよりも、200円の無添加ニンジンをうるといったある種のこだわりがないと、その店の個性が見えてきません。その個性を発揮するのがこれからの時代ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

常識はずれなアイデアを試してみよう!

先ほどの文庫本Xの話は、たぶん書店業界ではありえない話だったと思います。けどそれが当たった。そもそもAmazonだって、ネットの本屋なんて流行るわけがないと言われてきたわけですから、似たようなものかもしれません。とうていうまくいきそうにないことを却下せずに試してみる。こういった考えが今の時代こそ必要なのかもしれません。

こういった自由な発想はたぶん、若い人のほうが柔軟にできるんじゃないかと思います。そのためにも、若い人が自由に発想を口にできる組織を作るというのが大事なリーダーの役目なのかもしれません。

彼らの破天荒なアイデアをカタチにすることで、次の一手が見えてくるかもしれません。小さく試して、大きな稼ぎを夢見てまちましょう。

Keith JohnstonによるPixabayからの画像

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