あるコインランドリーの工夫
ただの待ち時間が憩いの時間に
このところ、住宅街でそこそこ大きなコインランドリーを見かけることが増えました。それは例えばクリーニング取次店とつながっているケースがあったりします。これはなかなかわかりやすい展開ですね。ただ、最近割と流行っているのが、カフェ併設のコインランドリーなんだそうです。ああ、なるほど、その手があったか、という感じですね。
たとえばスターバックスは「ザ・サード・プレイス」なんていう家と勤め先の往復ではなく、その中間に自分の時間を味わえる場所を持とうというコンセプトだったと聞きます。まあ、独身の人ならそれもありですが、家庭の主婦などはなかなかそんな風にはいきません。そこで考えたのが、家事などの待ち時間の間の活用。これだと、コインランドリーという目的があっていくし、待ち時間が無駄だからコーヒーでくつろぐという自分への言い訳がしやすい組み合わせのように感じられます。
商品やサービスとの関連ではなく人の行動に着目
私たち商品やサービスの提供者は、どうしても自分たちの役割にかんする思い込みがあるのかもしれません。たとえば、洗濯に関する仕事であれば、洗濯に関連するサービスなら展開していけど、そうでなければだめだ、という思い込みがある可能性はあります。
そして多分、お客さんも同じ業者からランドリーとカフェサービスなんて受けたいとは思わない、という風な思い込みから抜けられなかったのかもしれません。これまでのコインランドリー事業者は、実はそこでお客さんが仕上がりを待つシーンをイメージで来ていて、そういった人たちのために雑誌を置いておくなどの工夫をしました。けどそれはあくまで、「仕方なくそこで待つ」という発想から抜けられなかったのですが、「どうせある待ち時間ならそれを活き活きした時間につかう」というブレークスルーが必要だったのでしょう。そして、さらには、ランドリー事業者がカフェをやってもいいじゃん、というブレークスルーもあったわけです。
もちろんカフェ事業は提携で行ってもいいと思いますが、なんにせよこれは待ち時間というネガティブな時間をポジティブに使う提案と言えそうです。
発想を逆転してみよう!
がまんを楽しみに
これをヒントにするとしたら、例えばどんなことが考えられるでしょうか。まずは、お客様に我慢をしていただいていることが何かを考えてみることから始めるのがいいかもしれません。納期?種類の選択肢?来店の手間?・・・なんでもいいと思いますが、すべてにおいて完ぺきな商品サービスなどこの世には存在しないでしょう。何かしらお客様に我慢を強いていることをピックアップしてみます。今まではこの我慢をできるだけ軽くしたいという思いでいろんな対応をしてきたと思います。しかし、今回は、この我慢を楽しいこと、嬉しいこと、価値あることに変える工夫はできないものかを考えてみます。
そこから何かがアイデアが出れば、そしてそれが現実可能性があるものなら、是非テストしてみたいところですね。もしかしたら、全世界を席巻するようなビジネスモデルがそこから生まれるかもしれません。楽しみですね!
