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大きな声では言わないが儲かっている会社はある
業種全体がダメなのか、多くの同業者がダメなのか?
ある経営者コミュニティの中で、こんなお話がありました。「同業者の集まりでは怖くて言えませんが、実はコロナ禍において、結構儲かっているんです」。この経営者は、新型コロナウィルスの影響で急激に売上を上げたような例えば通販事業者ではありません。リアルな店舗販売をする食品販売業の方です。
彼曰く、さすがに完全自粛モードの5月あたりは売り上げも厳しかったようですが、その後、徐々に自粛が緩んだころから売り上げは伸びてきたそうです。商売を変えたわけでもないのですが、色々と小さな工夫を重ねることで儲かったといいます。
この経営者はホントに小さなお客さんの動向に気付き、そこへの対処を怠らないきめ細やかさのある方です。丁寧にすればうまくいくとは言いませんが、気づけば「なんだ、そんなことか」と思える工夫を常に欠かさない結果だと思います。
業界全体が沈む中、やり方を変えた業種
フィットネス業界はこの三密のご時世、なかなか経営のかじ取りが難しいのですが、アメリカでは自宅フィットネスの会社が大躍進なのだそうです。けっこう高い室内用バイクを買い、その画面の向こうからはイケメン・美女トレーナーがマンツーマンで指導。こういったサービスがすごい勢いで普及しているそうです。
今までフィットネスの世界は大きな施設に大掛かりの機械やプールを完備するというビジネスモデルに始まり、簡易のサーキットトレーニングに特化したもの、パーソナルトレーニングに特化したものなど、さまざまなバリエーションが出てきました。そこに来て自宅フィット。ライバルは、任天堂なのかもしれませんね。
この事例だけでも感じること
さて、同じ業界の中でダメな業者ばかりなら、「ああ、コロナ禍で大変だね」ということになりそうですが、同じ業界の中でほとんどの会社が大変な状況の中で、一部の儲かっている業者があるということは、こんなことが言えないでしょうか。これはまさに、企業の選別が行われている、と。
適者生存と言いますが、普通なら10年、20年かけてわかる顧客と企業のつながりが、今は数か月で明暗がはっきりしてしまう。つまり、即座に答え合わせができる稀有な時代と言えるのかもしれません。
ここから私が考えるのは、今の環境は元には戻らないということ。時を刻んで未来に来てしまったので、過去には戻らないという覚悟が必要なのではないでしょうか。
今の環境でビジネスを再構築する
考えることから始めよう
ある程度意識してみてみると、恐ろしいことに私たちは日々の仕事を、かなり惰性でやっていることに気付きます。こういう時にはああする、ああいう問い合わせにはこう答える。この仕事の次にはこれで、あの仕事をやったら今度はこれ。こういう機械的な仕事の進め方は効率的なんですが、社会が変化しているタイミングでは少しもったいないことをしているかもしれません。それは、見直しのタイミングを逸しているということです。
こういう時こそ、常識という枠をいったん外して、普段ならあり得ないことを考えてみるのが大事じゃないかと思います。やるかやらないか、できるかできないかの判断は後でいいので、まずは考えてみる。
一つ一つの手順が本当に必要なのか、これは何に役立っているのか、その結果お客様は喜んでくれているのか。そんなチェックをしていくと、結構いろんな問題提起ができるんじゃないかと思います。
細かなところからでいいと思うので、今こそ、小さなステップを一つ一つ見直してみるというのはいかがでしょうか。答え合わせはすぐにできる時代なので、試行錯誤のサイクルはそこそこ絶やいと思いますがいかがでしょうか。
