小売業とコミュニティ化

不思議なコミュニティ

趣味をYouTubeで公開してみたら・・・

私の妻は最近手芸にハマっています。手芸という趣味は一昔前は、趣味というより主婦のたしなみの一つだったようにも思うのですが、一時期随分すたれたんじゃないかと思います。すると、そういったグッズを買うことができるお店も少なくなりましたが、そういったことの情報交換を行う場所も減ってきたのではないかと思います。

一方で面白いのは、ご自分の編み物の手先を延々と映すYouTuberがいらっしゃいます。実は、それで成功された友人がいるのですが、彼女はスゴイ!という技術の持ち主ではないようですが、ただ編んでいる様子を映し、そこにちょっとした自分のつぶやきを収録した動画が人気で、2万人を超えるチャンネル登録者がいらっしゃいます。

余談ですから、そこからはフルタイムの仕事をした際のサラリーに近い収入が上がっているというから驚きです。

当然集まってくる人たちは、手芸に関心がある人たちで、どうやら自分と彼女の編み方を見比べたりとか、自分が行き詰っている部分を自分以外の人も持っているんだという確認をしたりとか、いろんな目的で集まってこられるようです。

数少ない情報の収集場所

リアルな人間関係の中で、なかなか手芸が趣味という人もいないようで、結局情報ということになるとこういったYouTubeやネット上の知識という傾向があるようです。このような専門的なお店にいくと、大抵、同じ趣味のい人がいて、色々聞きながら買うことができるということがうれしいからついつい手芸店に通う、という人もいるようです。

逆に、すごく品ぞろえがいい店があるけど、そこの店員はまったく話が合わないということで、必要に迫られなければ行かないと妻は言っています。

特に大人になると同じ趣味を持つ人というのがなかなかいないので、その趣味が人が一堂に会すイベントのようなものをやっていないものであるなら、なかなか同じ趣味の人と出会うことができない、という悩みは少なからずあるように思います。

世界観を共有する

ハーレーが売れていた理由

このところさすがに売れ行きが芳しくないハーレーダビッドソンという大型のバイク。このバイクのディーラーはとても頻繁にイベントをやっていたそうです。それはバイク好きだけではなく、アメリカの文化に触れられるようなイベントで、その傍らにバイクを展示し、バイクにまたがる事が出来たりしたそうです。

そういった世界観の中で、人は自然とハーレーというバイクに触れ、関心を持ち、乗ってみたい、所有してみたい、という思いが高まるそうで、こういったイベントを通したコミュニティをキッカケにハーレーを買う人がけっこういたそうです。

小売店はコミュニティを作ろう

ここまでのお話で何が言いたいかというと、小売業のなかでも特に趣味性の高い商品を扱うお店に関して言えば、「好きな人たちで集まる場」というのは結構大事だと思います。そういったお店はたいてい社長もまた、そういった趣味をお持ちなのだと思います。そういう人が集い、情報交換をし、ともに学びあう。こういったイベントを定期的に開催することで、人が人を呼んでくることもあります。そして、そうやって集った仲間がわざわざ別のお店から商品を買うことは考えにくいのではないかと思います。

別に大袈裟なことをする必要はないと思います。SNSなどでそういったテーマのグループを作るというのでもいいですし、年に数回の飲み会のようなものから始めるのもいいと思います。形にこだわることなく、接触するポイントを作っていくことが大事ではないかと思います。なかなかリアルな集まりが難しいコロナ禍においてはオンラインやSNSから始めてみるのがいいのかもしれませんね。

せっかくの趣味の世界をともに楽しむ機会を作ることで、お店の繁盛につながるのではないでしょうか。

Mabel AmberによるPixabayからの画像

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