小売業は広告業になる!?

小売業という業態の一つの未来

買い物はレジャー

私自身、買い物というのは意外と好きなほうです。いつまでには買わなければならないものとかいう買い物は好きではないのですが、だだっ広いショッピングモールを特に目的もなく散策したり、海外旅行で地元のスーパーに行ってみたり、というのは割と好きです。その時私は、何か新しい文化や新しい商品、ちょっとした驚きを感じたい、という思いをいだいて買い物に出かけます。

とはいえ、はじめにお話ししたとおり、義務化した買い物はあまり楽しくありません。そういった買い物は極力、スマホなどの通販で済ませたいと思うタイプです。こういった買い物における二極化が正しくすみわけされると、リアルな店舗はもっと楽しい場所になり、消耗品の購入はもっと効率的になるんだろうな、と思っています。

さて、そんな私が関心を持っている小売業ですが、これからどんな経営になっていくのでしょうか。

レジャー的要素を重視した体験型店舗

1つもっとも正統派として考えられるのは、五感を通じて何かを感じることができる店舗でしょう。これまでの小売店と言えば、店舗=陳列棚と言ってもよかったかもしれません。商品をたくさん並べてそこから好きなものを選んで買う。実はこれがだんだんと現代人にはしんどくなってきていると言います。選択肢が多すぎるのです。そこで絞り込みが行われるわけですが、その提案をAIがやるもよし、店員がやるもよし、そこが店の個性という方向になっていくかもしれません。

また店舗自体は、その扱い商品を体感する場所であり、買い物をする場所ではないかもしれません。軽くそこで触ってみて、気に入れば自分の求めるサイズの製品が自宅に届けられる。そんな手続きを行う場所となってくるかもしれません。

ネットでは当たり前になったビジネスモデル

さて、ここでもう一歩踏み込んで考えたときに、ある考えが浮かびます。リアル店舗が今後も続くとするならば、そこには人を集める工夫が必要になります。それがどんな方法かはわかりませんが、相応のコストをかけることは間違いなさそうです。そうやって多くの人がお店に足を運ぶようになった時、自社の取扱商品の利益だけで十分なのか?という問題が出てくるかもしれません。

あるいは、フリーミアムで人を集めるなんてことも起こるかもしれません。家の洋服店で服を選べば無料で提供しますよ、と。これ、Gmailなどでとられた戦略ですよね。その代わりそこに集まった人には、広告見てもらいますよ、と。

正直その効果がどれほどのモカは微妙ですが、リアル店舗に別の業者が広告を出す、なんてこともあるかもしれません。

Ich bin dann mal raus hier.によるPixabayからの画像

特定の顧客層を狙った有機的な提携

客層とデータ

たとえば、私ども保険代理店は、いろんなデータを持っています。たとえば、自動車保険の契約がありますから、車検満了日がわかります。それを喉から手が出るほど欲しいのは、自動車ディーラーかもしれませんし、車検業者かもしれません。さすがにそういったデータをそういう業者に提供することは、個人情報保護の観点から難しいと言えます。しかし、そういった顧客を抽出し、当社が「お客様のメリットとなるご提案」としてディーラーや車検業者の広告をお届けすることはまったく無理というわけでもないように思います。

極論すれば、そういった提携業者の広告費で自分たちの収益を得て、実際のメインの商品を値引きする、なんていうこともネットの世界では当たり前ですが、リアルの世界ではまだまだ行われていないように思います。それもそのはずで、ネットの世界と違い、データの数が圧倒的に少ないから成り立ちにくいのだと思います。

ただそうとは言っても、やってみる価値は十分あるようにも思えますがいかがでしょうか。商品では十分利益をとることができる値段をつけつつ、こういった広告費収入をもとに、より魅力的な店舗を作る工夫をする、なんていう考えもあるかもしれません。

売って利益を得るというビジネスモデル

そんな事を考えて行くと、単に、ものを仕入れて、売って、利益を得る、という太古の昔から続く個人商店的ビジネスモデルもそろそろ限界にきているのかもしれません。それを大きな視点で見ると「デジタルシフト」という言葉になってしまいがちですが、必ずしもデジタルというわけではないと思います。リアルでも、デジタルでもいいのですが、ひと工夫が必要なのではないかと思うのです。

売って、買って、というビジネスから一歩踏み出す知恵を絞る。これが今の私たちに求められていることかもしれません。

FalkenpostによるPixabayからの画像

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