【小売業】小売業は「ヒト」に投資せよ!?

巨額の債務超過を興した眼鏡店の再生物語

OWNDAYSの過去と現在

書籍として大ヒットした、『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 』(田中修治)は、内容は一部会社名を実在のものと変更するなど、現実の企業への配慮があるものの、中身はほぼノンフィクション。その内容は、ふとしたきっかけから莫大な負債を抱えた眼鏡チェーンの再生物語です。

実際に中身を読んでいると、とにかく次々とやってくる支払いの締め切りに対し、とにかく延命措置を行いつつ、必ず次の一手を踏み出している。一般の読者としては、「なんでそんなに厳しい時に、そんな大胆な冒険をするのか」と思うのですが、たぶん冷静に考えると、その冒険がなかったら、このオンデイズという会社は消えているかもしれません。とにかく前のめりに。この姿勢を貫くというのは常にハラハラドキドキ。経営者であるならば、読んでいるだけで心臓に悪い一冊です。

瀕死の企業だったオンデイズはその後、12年連続で、増収増益となります。その理由を社長の田中氏はこういいます。

毎日みんなで当たり前のことを当たり前に頑張ったから

資金ショートで倒産寸前の小売企業を再生。カリスマ店員に投資すると、なぜ売上げに繋がるのか?(BizHint)

なんだか私のような凡人には、「カッコつけやがって」と思ってしまうのですがいかがでしょうか(笑)

カリスマ経営者が語る社長の仕事と社員の役割

さて、ここで挙げた記事には、とても参考になる言葉がたくさんあります。まずはその生の言葉をここで引用させていただきたいと思います。

社長がやるべきなのは、優秀な人や人間性の高い人を採用して、200%の力を出してもらえる環境を作る こと。そして、 社員全員で店舗やお客様を見ながら、もっと喜ばれる商品・サービスを考えて行動に移す こと

資金ショートで倒産寸前の小売企業を再生。カリスマ店員に投資すると、なぜ売上げに繋がるのか?(BizHint)

ここに、会社経営のすべてがあると言っても過言ではないかもしれません。次のセクションで、私なりに咀嚼して考えてみたいと思います。

店舗経営は常に変化する

Martin LutzeによるPixabayからの画像

常に求められる価値は変わる

現在、新型コロナウィルスの影響もあってか、世界中で小売店がものすごい数の閉店が決まっていると言います。多くは、インターネット販売に押されていた、という苦しい現実があったという背景はあったようで、コロナがとどめを刺した形になるのでしょう。

とはいえ、小売店の役割はこの10年、20年で急速に変わってきていないでしょうか。じつは、買い物というのはけっこう面倒くさいものです。とくに、コロナで在宅ワークが増えると、極端な話、一日中パジャマで過ごすことだってできるわけです。それで仕事もできて、食事は出前があって、その他の必需品はやはりネットで買える。

一昔前、お店というのは、その場で買って帰ることができるということに価値があったと思います。しかし、私は今や店舗というのは顧客にとってのレジャーであるべきだと考えています。新しい体験、新しい知識、新しい製品とワクワクする出会いがある、何があるかはわからないけど、そこに行けば何か楽しい思いになれる、そういったことがリアルな店舗に必要なことではないかと思うのです。

商いは、飽きない

そういったときに、ふと思い出す言葉があります。良くいく散髪屋さんのオヤジがこんなことを言っていました。「商いは、飽きない」。だから、お客さんが毎回来るたびに、何か店内を変えているんだと言っていました。まあ、私にとってはその価値は理解できませんでしたが、それを理解できる人にはできたのかもしれません。

一方わたしは、毎週のように書店に出かけます。出来る限り、今週はA店をみたら、来週はB店というふうに、出没する店を変えます。なぜならば、それぞれのお店で得意分野が違っていたり、本の並べ方というか趣味嗜好が微妙に違うんです。だいたいよくいくお店が4つくらいあって、毎週違う店に行ってると、だいたい月に一度は同じ店に返ってきます。もしその時に陳列されている者が同じだったら、たぶん、もうしばらくそのお店は意向とは思わないんじゃないかと思います。

毎回何か新しい出会いがある。小売って、こういうことが結構大事じゃないかと思うのです。

まあ本屋さんなら、毎日たくさんの数の本が出版されますから、否が応でも店内のラインナップは変わります。しかしそれほどのラインナップの変化がないお店はどうでしょうか。

変化を作るのは人

こういった変化を生み出し、その変化を顧客と一緒に楽しむ。これができるのって、たぶん人間ならではなんですよね。そして、そこに集う人たちがそのお店の個性を創り出す。基本的に、その店の専用品でなければ、商品の差別化なんてできません。どこでも買えるなら、安いところで、というのは普通の考えです。けど、あのお店にはいつも笑顔のカワイイ店員さんがいるとなれば、そこで買うしかないじゃないですか。

何をどこで買うのか、というのも大事ですが誰から買うかも私たちにとっては大事なことじゃないでしょうか。そういったときに、最も差別化しやすいのが店員さん一人一人の個性なんですよね。それは礼儀正しいとかいうことももちろん大事ですがそれだけではなくって、その人たちが個性を発揮することが大事なんだと思うのです。

そして、経営者に求められるのは、その個性を爆発させること。そう考えて行くと、今までの小売りとは少し違った小売業界が出来たりはしないでしょうか?

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