どんなお客さんに集まってほしいか?
結局チェーン店に落ち着いてしまう理由
大抵月に1回程度、私は出張に行きます。そこで、けっこう困るのが食事です。私は50歳の男性ですから、あまり選り好みはしないものの、一人飯ではそんなに高くなくて、そこそこしっかり食べられて、できればその土地ならでは、というものが食べたい、と思うことがけっこうあります。
しかし、これが意外と難しいのです。高めの料亭だったりは敷居が高い。だいたいお手軽な感じの居酒屋がおいしそうなものがそろってる気がするのです。しかし私は、お酒が飲めません。なんだかいっぱいの飲み物で食べ物をがーっと食べて出るのもなんだかなぁ、と思いますし、早い話が、入りにくいんですね、そういうお店は。
カウンターに遠慮がちですわる、そもそもビールいっぱいも飲みたくないのでお水とかソフトドリンクと料理を頼む。ああ、なんだかイヤーな感じですね。だから私は結局、チェーン系のご飯屋さん或いは、地元の中華料理店みたいなところでお茶を濁します。
実はこういう層、予想以上に多いのではないでしょうか?
儲けのカラクリ
それが本当かどうかはわかりませんが、居酒屋の多くは飲み物で儲けている、というビジネスモデルと聞いたことがあります。料理は手がかかるわけですが、飲み物は出すだけ。単純に仕入れ値と売値の差額が収益になります。それはそれでありがたいことなのでしょうが、周囲のお店がみな同じことをやり始めると、だんだんと差別化は難しくなってくると思います。
他のお店が嫌がる、呑まない人たちのお店、というのもコンセプトとしてはアリかな、と思うのです。良く想像してみていただくと、冒頭でお話ししたとおり、呑まない人が集って食事を楽しむとなると、そこそこ高級なお店かファミレスになってしまいます。飲まないけど、カジュアルな、美味しいものを食べさせるお店があればそれはそれでありがたいと思います。
自分達がどんなお客さんとビジネスの関係を作っていきたいか。また、どういった売りが自分達にはあるのか。そんなことを考えながら検討していくことが大事だと思います。その際に、もし「呑まない人も大歓迎」というなら、看板にそう書いてください。
「呑まない人」「お一人様」大歓迎!とね。A型看板にそんな文言を見つけたとき、私は吸い寄せられるようにそのお店に入っていきました。
客層にあった接客を
「まず飲み物を」と聞いて叱られる!?
じゃあもし、看板を出して「呑まない人」歓迎としたとします。そういったときに、ハイッて来たお客さんに、「飲み物何にしましょ?」と普通のせっきゃおすると、お客さんはきっとガッカリします。なぜかというと、「呑まなくてもいいというから来てみたのに、いきなり飲み物を聞かれるのか」というずれを感じるのです。
ここで人によっては、なんとなくビールを注文するかもしれませんし、怒り出す人もいるかもしれません。
基本的にお客様がおこるのは、「自分がないがしろにされた」という感覚を持った時です。このケースで言えば、「呑まなくてもいいというから入ったのに、呑むことを強要された」かのような感覚に陥ります。言ってみれば、だまされた、と感じるのです。だからこういうお客様には、「飲み物になさいますか?お料理にされますか?」的な問いかけから始めるなど、工夫が必要かと思います。
そんな客面倒くさいというなら、今まで通りの集客でOKです。
けど、違う客層、隣のお店にはいかないであろう人を集めたい、という場合はそんな工夫が大事なのかもしれません。
