顧客アンケートの真実

自社の強みを知るためのアンケート

そのアンケートの目的は?

飲食店や電気製品の購入など、様々なタイミングで「アンケート」をお願いされるケースがあります。たとえば、大型チェーン店などのアンケートはどうも「対応した係員」の良し悪しを問うアンケートが割と多いように思います。

それは目的が明確なのでよいと思うのです。ただ一方で、「商品の満足度を5段階で答えてください」なんて言うアンケートを見ると、これが何に活用できるのかな?と心配になってしまいます。顧客満足度を上げようという指針を掲げたとしても、満足度を上げる方法がわからないわけです。じつは、アンケートというのはけっこう難しいもので、聴き方ひとつで回答が変わってきます。そんなことを含めて、アンケートというのは企画することが大事なのではないでしょうか。

自社の強みを知るアンケート

割と古い経営戦略の教科書では、こんな事例が出ています。お客様へのアンケートはこんな問いを行い、自由に記入していただくのがいい、と。質問はこうです。
「数ある同業者の中から、なぜ私どもを選び続けてくださっているのでしょうか?」

実はこの質問をするにはけっこう勇気がいりました(苦笑)これを読んだお客様が、変に素にもどって「いや、別に特別な理由はないし」と書かれたらちょっとショックです。それでも奮い立たせて送ったところ、好意的なコメントばかりが返ってきて少しホッとしました。内容はこんなものでした。

「いつも迅速な対応ありがとうございます」
「保険のことはすべてお任せしています」
「キチンとした対応が安心感がある」

はじめは「褒めていただけた!」と喜んでみましたが、よくよく考えてみるとこれらはみんな「あたりまえ」の事です。逆に、できていなければおしかりを頂く類のこと。とても自社の強みが浮き彫りになったとは思えません。

具体的な指摘はヒントになる

お客様は意外なところを見ている

こういったアンケート結果の中では、たまに私たちが予想もしなかったことを回答してくださる方がいらっしゃいます。たとえば、

「相談してもしつこいセールスがないから、安心して相談できる」

というコメントがあったりします。
今の時代、しつこいセールスは感じの悪いもの、というイメージが染みついていますがこれが30年前だと逆に頻繁に電話しない営業は熱意が足りない、と判断されることも多かった時代です。

その時代に、お客様が嫌がりそうなことをすべて書き出して、「私たちはこのようなことでお客様に迷惑をかけません」なんて言う風に宣伝すれば、それは一つの差別化戦略になったのかもしれません。極端な例かもしれませんが、お客様にそこに書いたことを行ったら、罰金として商品券を差し上げます、なんてやると一世を風靡したかもしれません。(残念ながら私どももそこまで思い切ったことはできませんでしたが)

注意深い設計が大事

大企業のアンケートは、たいていは様々なことを数値化することを目的としている事が多いと思います。それを指標として、より良い経営を考えようとしているのですが、数字で見るのは良い面もありますが、回り道となる場合もあります。中小企業においては、アンケートと言っても膨大な数を集めることが難しいので、むしろ顧客が感じている感想を書いていただくことで、次の経営のヒントになることも多いと思います。

アンケートの取り方は、けっこう難しい部分があります。もし、よくわからない、という事であれば、まずは先ほどの「なぜ当社を選んでいただいているのですか?」という質問をぶつけてみてはいかがでしょうか。

mohamed HassanによるPixabayからの画像

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