なぜ営業社員が育たないのか?

営業社員育成の幻想

営業を増やせば売り上げは上がる!?

私の会社は保険の販売をやっています。じつは、この業界にはびこる都市伝説があります。それは、営業社員を増やせば、売上げが上がるというものです。例えば今まで1億円だった売り上げが、営業社員を一人増やして1億3000万円くらいになるか?といえばなかなかそうもいかないのです。

だから雇った社員の給与を稼ぐために、社長はさらに営業にまい進します。結果として、マネジメントや育成なんてやってる暇がない。だから、いつまでたっても社長は忙しいまま。いえ、むしろ、人を増やせば増やすほど忙しい、というのはけっこうよくあるパターンです。

たとえば保険会社では、将来の独立を前提とした研修生精度がありました。これは一定期間内に一定の業績を上げることができれば卒業、独立、という流れですが、独立にこぎつけられるのは100人に一人もいないのではないでしょうか。

他の仕事なら半年もあれば覚えられるのに…

事務社員ならば、ソコソコ複雑な事務作業があったとしても、半年もすればそこそこ使える戦力になります。製造工場や組み立て工場の中での作業であれば、単純なものなら数日、少し複雑なものでも3か月程度でそれなりに頼りになる存在になるでしょう。ウェイターやウェイトレスなら、1週間も働けばだいたいのことはこなせるようになります。

一方で、営業社員を育てるには3年くらいは見ないといけない、と言われます。そして3年たった時点で芽が出る人は出るし、そうでないひとはその後何年たっても芽が出ないというケースが多いのではないでしょうか。あえて結論を言うなら、営業社員を雇ったからと言って売り上げは大して上がらない。売上が上がったとしても、利益が残る形で上がるかどうかはわからない、というのが実際のところではないでしょうか。

なぜ営業社員は育たないのか?

他の仕事との圧倒的なギャップ

営業が抱える他の仕事との圧倒的な違いがある、と言われてそれをはっきり答えることはできるでしょうか?答えを言ってしまうなら、他の仕事は、「成功する方法(やり方)がはっきりわかっている」のに対して、営業は「成功する方法が明確ではない」という事です。

もう少し詳しくお話ししましょう。事務も、ホールスタッフも、製造部門も、明文化されているかはともかくとして、一定の「やり方」があります。そのやり方を積み上げれば、求められる結果が得られるようになっています。プラモデルで言うなら、ちゃんと組み立て方の解説書があるから、完成形が出来上がるわけです。しかし、営業にはやり方がありません。わかっているのは、商品があって、その商品の特徴を教えられるぐらいがせいぜいです。

どんなお客様に会って、どんな会話をして、どんなおススメをして、どんなクロージングをすれば、契約が出来上がるかを誰も教えてくれないからです。これを営業社員は自分で試行錯誤しながら身につけていかなければならないのです。完成形のプラモデルを見せて、部品の山を与え、解説書も見せずに「さあ、組み立てて」と言っているようなものなのです。

上手くやるコツが共有されていない

特に営業という仕事は、一匹狼的ニュアンスが強い。しかも、社員同士を「ライバル」として競わせることが多いため、彼らは自分のやり方を共有するのを拒みます。また、仕事の様子を他の人が見ることができないため、まったくのブラックボックスとなります。これが、営業社員を育てることができない最も大きな理由うと言えるでしょう。

さらにいうなら、本来はお客様との信頼関係の中で行われるべきセールスが、例えば丸暗記のセールストークだったり、白々しいロープレ、顧客の反論を押しつぶすような応酬話法など、一般的なセールストレーニングはどこかゆがんだ印象を持たざるを得ません。実際に売れてるセールスパースンは、顧客の何を見て、どんな質問をしているかに着目するほうが建設的だと思います。

そこで、以前、セールス会議において「ビデオを再生するかのように」セールスの現場を再現してみよう、という事をお勧めしたことがあります。こういったことから、暗黙知を共有していくことが案外近道になるのではないでしょうか。

Werner HeiberによるPixabayからの画像

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