「ノルマ」が世の中を汚染していく
ゆうちょ銀行やかんぽ生命だけの話ではない
ゆうちょ銀行やかんぽ生命における厳しいノルマに対する、営業社員の不適切な行為がマスコミを賑わせました。それは彼らだけか?といえばそうではないはずです。やたらとしつこい、コピー機・複合機のセールスの方たちもおそらくかなり厳しいノルマを課せられているのではないかと推察します。ある意味どことも同じで、特に商品が飽和状態の業界は営業の尻を叩いて数字を伸ばすしか手がないようです。
「ノルマ」は倫理を乱す
実は、海外のビジネススクールでは、強制的なノルマが倫理観を逸脱したセールスにつながることはすでに明らかにされています。また、ノルマという強制感が社員のメンタルヘルスを侵すケースも散見されます。市場が伸びている時代なら、頑張れば先が見えたのですが、市場が伸びていないからもはや正攻法ではやっていけないのです。
しかし企業としては、ノルマを与え、強制的に仕事をさせるしか方法を知らないので、そこに集中してしまいます。結果、不正を次々と生み出すか、社員がつぶれるか、という困った状況になってしまうのかもしれません。

ドラッカーが語った企業の目的
市場を作ろう
ドラッカーは企業の目的を「顧客の創造」といいました。私なりに考えると、市場の創造と言い換えてもいいんじゃないかと思っています。つまり、もはや飽和状態の市場で、他社と奪い合いをしているよりかは、新たな市場、つまり多くの人が振り向く新しいビジネスを作る方が健全じゃないか、と思うのです。
多くの企業が、合併を繰り返して効率化とか、規模のパワーとか言ってますが、市場がひろがらない以上は、その場しのぎの戦略です。だから、ノルマで縛らなければ売れない商品を扱っているとすれば、新たな市場を作る事を考える必要があるのかもしれません。
意味を考える
もう一つ言えるのは、私たちは日ごろ「何を」「どのように」ばかり考えています。それでは動機付けはできませんから、じゃあそれを「なぜ」やるのか?という事を考える機会がないのではないでしょうか。
「なぜ?」というのは人の同期に結びつく部分でもあります。会社の中で、なぜその事業が大事なのか、なぜ自分たちはその商品を売るのか。そんなことにフォーカスして深く掘り下げる機会を持ってみてはいかがでしょうか?
