目次
社員は信用すべきだけど、社員任せは危険!?
無意識の習慣に刷り込む

たとえば、この商品をすべてのお客様に案内しよう、と決めたとします。そういったときに、どうすればいいのでしょうか?
ひとつは、社員にそうするべく教育する、というのがあると思います。
確かにそれが手っ取り早くも思えますが、厄介なのは繰り返し教え込まないとうっかり忘れがちです。
それを防止するためには、その必須案内をしなければ、仕事が進まないような仕組みを作ってしまうのが確実です。たとえば、お客様の申込書の中に、その情報を含めておいてその確認をしなければ、書類が完成しないようにするとか、ですね。
社内ルーチンに組み込む
他にも考えられるものとして、お客様とのコミュニケーション(電話、メール、手紙)などにおいて、必ずその情報を提供するように心がけるという方法もあります。特に電話は有効なツールで、何かの問い合わせをいただいたとき、「〇〇な特徴のある新商品がございますが、ご興味ありますか?」という一言を付け加える工夫をするのもアリかもしれません。
ただし、先方は、そういった売り込みを受ける前提がない状態なので、しつこくないようにお客様の反応を見ながら調整する必要はあります。
他には、たとえばセールスのステップに組み込んでしまって、自己紹介のときに必ずお客様の目にそのチラシが飛び込むようにするとか、そもそも書類をお持ちするとき必ずチラシとセットで持ち込むとか、請求書には小さな短冊形のチラシを入れるとか。いろいろと工夫はできそうです。
お客様は「購入した時」が「提案し時」
「ポテトもいかがですか?」というシステム
よくファーストフード店の「ポテトもいかがですか?」というマニュアル通りの掛け声を揶揄する人がいますが、バカにされても続けているのはそれで売り上げが上がるからではないでしょうか。たしかに、マニュアルの棒読みは良い事とは思えませんが、何もしないよりはましかもしれません。
そういった決め台詞が自然に出るくらいに訓練されると、自然とアップセルは可能になるのではないかと思います。
そしてこのセリフは何をしているかというと、商品を購入して一定の満足を感じているお客様に、さらなる満足を得ていただくための提案です。
提案は強欲ではない
私自身、セールスの仕事していると、お客様が何かしらを購入いただいたときに、さらに「これもいかがですか?」というのは値段を考えるとしり込みすることもありました。そういった提案をためらう気持ちはよくわかります。
一方で、購入いただいたお客様は、その商品やお店の対応に満足して購入される考えられます。であれば、さらなる満足を提案することは決して悪いことではありません。
たとえば、なにかを購入する際、「あと〇万円足していただくと、こんなことができますよ」なんて言われると、ついつい夢が膨らむことがあったりするのではないでしょうか。
売る側としては少し負い目を感じがちですが、それがお客様に何かしらの新たな世界を見せるものである場合、けっして自分たちの欲のためではない、と言えそうです。