ライバル社に差をつけるための質問

業界のボトルネックはどこにある?

同じルールで競争しても結果は限定的

たとえば、世の中にはたくさんのステーキハウスがあります。どこもレンガ造りの店構えだったり、オープンキッチンで魅せる調理をしたり、肉のブランドを宣伝したりと、様々な工夫をしていると思います。

しかし例えば、目隠しをしてそういったお店ごとの味の違いを見分けることができるか?と言えばそれは難しいでしょう。店構えもどことも同じようなモノばかりで、差別化しようとしている割には、みんなが同じ店構えなのには少し笑えてきます。

一昔前に「ヤマンバギャル」というのが流行っていました。彼女たちは「個性」をアピールしているようですが、外野から見る私のようなおじさんにとっては、「ヤマンバ同士同じ格好をしていてどこに個性があるのか?」と思ってしまいます。判を押したようなステーキハウスのプロモーションにも、似たような風情を感じ取ってしまうのは私だけではないのではないでしょうか。

業界で一番嫌いなところ

焼肉屋に行って一番嫌いなことはなんでしょうか。たぶん多くの人が、ニオイが服につくことを嫌がるのではないかと思います。そしてそれを防ぐために、無煙ロースターみたいなものが開発されました。そこから焼き肉のイメージは一変します。

ステーキハウスといえば、同じ店構えで高くて時間がかかる店ばかり、という事がキライだった(?)人が、いきなりステーキのようなお店を考え出したのかもしれません。

食べ物の話ばかりで恐縮ですが、私たちが真の意味で競合から差別化するにはこんな質問こそが適切なのではないでしょうか。

「自分の業界で一番嫌いところは何だろう?」

多くの業界人は、自分の業界は正しい前提で物事を考えがちです。しかし、あえて、自己否定をするところから差別化は始まるのではないでしょうか。

tomwiedenによるPixabayからの画像

値段に透明性を出して成功

回転ずしの本質

今やどの町にも必ずと言って見つけられるのが、回転ずし。これは一皿100円といった非常にリーズナブルな価格で、これまで非常に敷居の高かったお寿司を身近なものにしてくれました。

ところで、この回転ずしのヒットは、果たして一皿100円だったからでしょうか。もちろんそれも重要なファクターではあると思いますが、私は本質的な理由はほかにあります。それは、明朗会計です。

私が子どものころ、親に連れて行ってもらったお寿司屋さんでは、けっこう気難しい思いをしました。小学生ながらに、「注文するのに気を遣う」のです。何に気を使うかというと親の財布。高いものばかり頼むのはとても気が引けたのです。

小学生でさえそうなのですから、大人はもっと深刻です。はじめて入った回らないお寿司屋さんで、どれくらいの支払いが発生するのかを心配している人は案外多いのではないでしょうか。

高いからではなくわからないから

せっかくすし屋に来たならば、高井安井はともかく美味しいものを食べたい。しかし、会計が5,000円ですむのか、それとも3万円くらいになるのか、その目安がわからないと不安なものです。回転寿司は、一皿100円というわかりやすい値付けと明朗会計でその不安を排除しました。

その証拠に、一皿100円ではない回る寿司も結構人が入っています。一皿300円でも、500円でも、おいしいものを食べたいという欲求があって、今どのくらいの値段を食べているかがイメージできると、とても安心感があるのです。

これはお寿司だけではなく例えば、葬儀屋さんでも同じようなことがあったようです。かつては、かなりどんぶり勘定的な見積もりが出された業界ですが、これを明朗会計にしたところ、その業者は一気に顧客を増やしたと言います。

Jonathan ValenciaによるPixabayからの画像

あなたの業界の一番嫌いなところはどこ?

ぜひ次の会議では、このテーマで議論してみてください。
あなたの業界で一番嫌いなところは?
そしてその解決方法を見つけたとすれば、恐らくお客様はあなたの会社を選ぶことになる可能性は高まります。

こういったことを解決するために必要なのがイノベーション。
ぜひ、社内にイノベーションを起こしてください。

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