目次
ドミノピザはなぜ急成長を遂げたのか?
子どもでも言える「ブランドの約束」
ドミノピザが日本で営業を始めたのが、1985年だそうです。当時私は高校生。今でも印象に残っているのは、ピザを30分以内に宅配してくれ、もし30分を超えたら無料。そんなコピー。たしか、当時、私のような子供でも話題にするぐらい、そのキャッチコピーは耳に残っていました。
そこから30年以上のときが立ち、経営者という立場でみるとそのキャッチコピーがどれだけ優れていたかがよくわかります。なにしろ、子どもが知っているくらいの知名度と、衝撃。タダものではない雰囲気が漂っていました。
ブランドの約束
多くの企業では、ブランディングに気を使っていると思います。それは高級感であったり、クラフトマンシップであったり、安全や安心であったり。ブランドは表面的に見るとイメージ操作のように見えますが、実際のところはそれほど簡単なものではないようです。
たとえば、自動車メーカーにおけるボルボは「安全」については、非常に定評があります。それは例えば、初めて三点式シートベルトを開発した時、その特許を制限することなく業界に共有したと言います。また、今も地元警察とのタイアップで、ボルボ社がかかわる実際の事故を追跡調査していて、実験室だけではない安全の確保のために、かなりの人と予算を割いて研究を続けています。2020年には、新型のボルボ社がかかわる死亡事故をゼロにするという目標を掲げ、安全な車を本気で作っている気配が見えてきます。

約束の保証
ドミノピザのキャッチコピーが秀逸なのは、ブランドの約束を明確にするだけではなく、「それができなかったときの顧客に対する保証」を明確にしている点です。30分過ぎれば無料にします。こういった、保証はそのサービスへの思いの本気度を測る一つの物差しにはなりそうです。
気に入らなければ、返品自由などといった保証も同様で、そういったことを明示する以上、自信があるんだろうな、という顧客への信頼感を創り出していると想像できます。
ブランドの約束と、それが守れなかったときの保証がワンセットになることで、ドミノピザは一気にそのビジネスモデルを日本にも浸透させていきました。当時、そもそもピザを食べる習慣はそんなに根付いていなかったと思うのですが、今やピザはすっかり日本の食習慣の中に取り込まれていきました。

中小企業でもできる事
しつこいセールスをしたら罰金!?
実は当社でも、ブランドの約束とその保証をどうすべきか?という事を社内で考えていた時期がありました。私たちにとっては保険の相談をどれだけ頂くかが、ビジネスの成長にとっては大事なことです。しかし、その相談への一歩を遠ざけるのが「押し売りされるかも…」という不安ではないかと考えました。
すると、「しつこい勧誘と感じたら罰金を払います」といったことができるかもしれません。(これは保険業界の法律の絡みで、断念しましたが)
結局試すことはできなかったため、効果があるかないかはわからないままですが、お客様の苦痛や購入に至る一歩を踏みとどませる理由となることが、ブランドの約束として排除できれば、ビジネスにおいていい方向へ動くかもしれません。
数値で管理できることが望ましい
こういったブランドの約束は、「数値化」できることが望ましいと言われています。というのも「〇〇するように努力する」では、単なる心意気だけなので見えあ憎いのです。ピザなら30分以内に届けるとか(交通事故が多発したため、30分デリバリーは今はありません)、クリーニングならいつまでに仕上げるとか、数値化して管理できることが良い、と言われています。
これらは一つの差別化要因としてわかりやすい違いを生むことでしょう。
さて、御社ではどんな約束を、お客様との間で交わしますか?