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ザイアンスの法則
ビジネスにおいて引用される心理学
ビジネスにおいて、必須の学問と言えばなんでしょう?法律も大事だし、経営学、経済学も大事かもしれません。しかし意外と見落とされがちなのは心理学です。
何しろビジネスにおいては、
・仕入れ先
・金融機関
・従業員
・顧客
すべてにおいて「人」が介在します。なのに、その「人」の特性を把握せずしてビジネスを行うというのは、考えようによってはかなり無謀なことのように思えてきますがいかがでしょうか。
ザイアンスの法則とは?
ビジネスにおける活用で特に有名な心理学用語の1つに、ザイアンスの法則(単純接触効果)というものがあります。これは非常にシンプルに表現すると、「人は何度も目にしたものを好きになる」という法則です。
たとえば、1年に一回しか会わない人と、毎日のように顔を合わせる人では、人は毎日顔を合わせる人を好きになる傾向が強いです。また、たとえばスーパーでカレールウを買おうとしたとき、特に決めている者がない場合は「CMなどで見たことのあるもの」「知っている商品名やパッケージの物」を選択しないでしょうか?そうでないものは、なんとなく粗悪品に見えることがけっこうあります。
人は見慣れたものを好きになる。これを利用したのが大量のTVCMなどです。

中小企業でもできる事
マス広告はできなくても工夫できることはある
自分たちの商品や会社、営業社員を顧客に認知させる手っ取り早い手法は、テレビなどのマスメディアを使った広告です。しかし残念ながら、莫大な費用が必要なテレビCMなど、中小企業には夢の話です。
しかし、やりようによってできることはいろいろとあります。たとえば、ポスターなどを貼る場合、ある場所に集中させて特定の狭いエリアの人に、まずは何度も目に付くように配置する。また、既存のお客さまへ定期的にレターをお送りし、そこには必ず見慣れたロゴや、社員の写真を載せる。
商品であれ、写真であれ、人であれ、いつもと同じものをお客様に高い頻度で見ていただくように考えればいいだけなので、媒体は何でもいいのです。
落としどころとしてちょうどいいのがニュースレター
費用と効果を考えたとき、ちょうどいいバランスに落ち着くのがニュースレターです。いわば、顧客へ向けた会報のようなものです。これは頻度としては、月に1回くらいが理想的です。(1年に2回とかではほとんど効果はないとおもいます)
内容は難しいものでなくてもOK。社員さんの日々の出来事をつづったようなA4一枚からでもいいと思います。とにかく、自分たちの会社の名前や、自分たちのことをお客様にそこそこ頻繁に目にしていただく機会を作るのです。
営業であれば、たとえば月に一回は訪問しよう、というのもアリかもしれませんがこれはやり方を間違えると、むしろ嫌われます。しかし、紙面でのご挨拶だと迷惑をかけたり、無理やり時間を奪わない分、けっこう前向きな効果が見込めます。
単純接触効果だけではない心理学の効果
こういった心理学上の効果は、この単純接触効果が比較的実践レベルでよく使われていますが、心理学における様々な効果はビジネスに応用の利くものがけっこうあります。
ただ、この単純接触効果においても「接触頻度がほとんどない初見なのに好きと感じる」人や物があるとか、逆に嫌悪感を感じる場合もあるとか、100%再現性があるとは言い切れません。そこは人間の複雑さ。ある程度は含み置いたうえで、「傾向」としてとらえるとちょうどいいような気がします。
そんな事で、ビジネスに心理学の活用をお勧めしたいな、と思っていますがいかがでしょうか。「
