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1万枚配布して何の反応もなかったチラシ
顧客はチラシを手にとって何を考えたのか?
ある社長から、世間話的に伺った相談事がありました。
「チラシをポスティングしたんだけど、まったく反応がなくてね・・・」
あらあら。
1万枚、10万枚、数を増やしてもほとんど反応がないと言います。
社長は肩を落とします。
「私たちの商品は、ニーズがないのでしょうか」
一般的に、チラシの反応はだんだんと悪くなってきてると言います。商品や配布先にもよりますが、1万枚まいても数件の問い合わせがあればいいほうでしょう。
それでもまったくないというのは気になります。
チラシを見せていただくと、衝撃の事実がありました。
そのチラシに足りなかったもの
そのチラシを見てびっくりしたのは、こういうことです。
「このチラシを見たお客様が、どういう行動をとればいいのか」
が明記されていないのです。
たとえば、電話で問い合わせをすればいいのか?
WEBサイトにアクセスすればいいのか?
FAXや郵送で申し込めばいいのか?
あるのは、商品の説明と、問い合わせ先が非常に事務的に書いてあるだけ。
私は言いました。
「社長、これ、今すぐこの電話番号にお問い合わせを!という文言を入れて、
電話番号を5倍ぐらいにデカく印刷したら、絶対問い合わせ増えますよ」
社長は言います。
そんなわけはない。普通なら、連絡先は書いてあるのだから、連絡するだろう!?
いえいえ、そもそもその考えが間違いなんです。
お客さまはこの商品を今すぐ問合せしなくたって何の問題もない生活をしています。だから、電話なんてしません。しかし「電話してください」と言われれば、なんとなくしたほうがいいかも、という気分になるものなんです。

お客さまは原則ズボラです。
欲しくて仕方のない商品以外は自分から探さない
たとえば、肩こりのひどいお客様がいたとします。
このお客様は、肩こりは肩をもんでもらえば楽になると考えてるとしましょう。
そうすると、肩をもんでくれる人を探そうとしています。
そこにたとえば、肩こりを和らげ、防止するサプリを目の前に出されても、きっと目にも止まらないでしょう。そのお客様は、カタモミしてくれる人を探しているのですから。
しかし、「肩こりがひどくて、毎日、もんでもらえる人を探している方へ朗報!」と言われると、あ、自分のことだ、と感じる。
そしてその朗報に関心を持つ。
さらに、なぜそのサプリが自分にとって効果的なのかを知る。
フーンとうなずく。
ちょっと試してみようかな、と思う。
ここまで来ても、問い合わせ先がすぐに見つからなければ、頭の中からはそのことはすっかり忘れてしまう可能性は高い。問い合わせ先があっても「今は時間外」とか、「郵便で申し込まなければならない」とか、面倒な障害があると「またあとで」といいつつ、永遠にそのことを思いださない可能性があります。
常に違う誘惑と闘っている
つまり、お客さんの頭の中を、あなたの商品が占めているあいだに、問い合わせ方法が見つかり、たいして労力なく問い合わせできる。このことが実は、とても大事なのです。
人は、毎日様々なことを考え、脳は、一日の大半は思考がさまよっていると言います。そこにたまたまあるチラシが目に留まり、関心を持ち、問い合わせしようとしても、0.3秒以内に問い合わせ方法が見当たらなければ、次の思考にうつっている可能性が高いのです。或いは、家族に呼び止められて違う話になったり、電話が鳴って電話で話しているうちに忘れてしまったりするのです。
お客さまがわざわざ探して、問い合わせをしてくれると考えるのは、ある意味怠慢と言えるかもしれません。
もし、反応の悪いチラシを改善したいのであれば、まずはじめに「問い合わせ先と方法は即座に分かるようになっているか?」をチェックしてみてください。
