営業社員に徹底しておきたいこと

お客さまが最も嫌うこと

待たされることでも、間違えられることでもない

営業や販売員、サービススタッフが知っておくべきことがあります。それは、お客様が感情的にクレームを言ってきているとき、必ずしもそのクレーム内容が問題なのではないことが多いということです。お客様が感情を害するとき、お客様の心の中で何が起こっているかというと、自分をないがしろにされたという思いがたいていあります。

たとえば、待たされたお客様が「いつになったらできるんだ!?」とご立腹だったとします。たしかに、次の予定があるのに思た以上に時間がかかっていることが腹立たしいということはもちろんあるでしょう。しかし、それとは別に、「自分をないがしろにしている(たとえば、後回しにされてるとか、早くやるように尊重されていないとか)といった感情をお持ちの場合が多いように思います。

つまり、遅いサービスを早くすることは、クレームが起こるキッカケを防止することはあっても、クレームの根底にある「ないがしろにされている」というお客様の感情に十分配慮できていない可能性があります。

「真心」は伝わってこそ価値がある

サービスの提供側としては、一つ一つの動作に思いを込めて、という考えもあるでしょう。しかし、それは必ずしもお客様に伝わるとは限りません。急いでるお客様にとっては、ゆったりとした真心のこもった動きよりもむしろ、急いでいるお客様の気持ちに配慮した行動です。

先日ある和菓子店で、こんなことがありました。その和菓子店は、入店されたお客様にお茶と試食のお菓子を出してくれます。それはとてもありがたいサービスですが、急いで買って帰りたい私にとって、一気に飲めない熱いお茶を出されても困ります。ジェスチャーでお断りしました。

私にしてみれば、そんなことをしてるより速く会計を済ませてくれ!という思いでした。しかしその店員さんは、今ひとつピンとこないようで呆然としていました。私はその店員にはあまりいい印象を感じませんでした。しかし機転を利かせた別の店員さんは、会計を急がせると同時に「お急ぎのようですので、良かったら一つ試食分を紙袋に入れておきますので、良かったらお召し上がりください」と添えてくれました。

試食品を食べたいとは思いませんでしたが、私の気持ちや都合を尊重してくれた対応に、とても良い印象を受けたのを覚えています。

sayamaによるPixabayからの画像

お客さまにあなたの話を聞く義務はない

あるセールス電話に唖然とする

先日、あるセールスの電話がありました。電話口では開口一番こう聞かれました。「お客様はNTTのお電話をお使いですか?」と。私は知りもしないし、目の前に電話機があるので確認すればわかるのですが、それを確認する理由も見当たらないので「さあ」とだけ答えました。

そもそもこの時点で私は不快感MAXです。このセールスは私のことを全く尊重している印象はない。そもそも、私の時間を奪っていることに気付いているのかも怪しい。

そして挙句の果てに、私の気のない対応に逆切れして電話を切りました。今後その会社の電話は私に取り次がれることは二度とないでしょう。

彼らはまずは私が関心を持つような工夫をするべきだと思うのですが、一方的に彼らにとって必要な情報を初対面(電話ではありますが)の相手から引き出そうとする姿勢にあまり誠意は見受けられない、と私は考えています。

15秒以内に要件を伝える

ある電話セールスのノウハウ書では、電話口でお客様が相手の話をがまんして聞けるのはせいぜい15秒、長くて20秒と言います。電話セールスにおいては、この短時間の間に、礼を失することなくお客様にニーズがあるとすれば、グッと気持ちが引き寄せられるお話をすべきだと言います。

目安としては、お客様にとってのベネフィット(その商品がもたらすお客様が感じられる便益)を2つ入れた商品紹介を行う、というのが良いと言われています。ここは様々な考え方や方法論があると思いますが、お客様の時間を勝手に奪わないことこそ、お客様を尊重する、という行為なのではないでしょうか。

時々勘違いしているのは、「自分たちの商品はお客様が必ず必要としているはず」という思い込みです。私たちの保険業界ではありがちで、私も新人時代こういった思い込みを先輩から教え込まれて、結構困ったことになった経験があります。

お客さまはあなたの商品をいらないと思っている。飛び込み電話によるセールスではそれが基本ですから、誤解のないよう配慮する必要があるように思います。

こういったことに気をつけながら、社内で一定のトークを作り上げていくことは、今後の新人教育においても重要となるかと思います。商品によってはまだまだプッシュ型セールスが必要な領域も残っていますので、こんなことに気をつけながら精度を上げる工夫をしていきたいものですね。

PicographyによるPixabayからの画像

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