売上が上がらない原因を「営業」の問題と考えたとき、いくつかの問題が明確になる事があります。その理由は、「既存客からあがる売り上げ」が少ないのか、そもそも顧客数が少ないのか、というのが出発点かもしれません。
そして、顧客数が少ないとき、どうすればいいのでしょうか?
目次
集客は会社の仕事
お客さまをセールス担当の前に連れてくる
業種によってばらつきはあるでしょうが、「集客」とよばれる、買いたい意思のあるお客様をセールス担当の前に連れてくるのは会社の仕事と言われています。たとえば、戸建て建築の会社であれば、ビラや広告でモデルルーム内覧会にお客様を誘導し、そこで見込み客の個人情報を取得する、という流れが一般的でしょう。この流れは、会社が作るということです。
なかにはそういった形での集客が、難しい商材があります。それが、「保険」や「セキュリティ」や「害虫駆除」といった「予防商品」に分類されるものです。こういった商品は、そもそも購入に際してお客様に歓びを感じる要素がほとんどないため、お客様を動かすのが難しいと言われている商品です。
予防商品の業界ではリアルセールスが盛ん
先ほどのリストの商品ほど、リアルな営業が盛んであることにお気づきだと思います。私たちが扱う保険もまた、かなりのウェイトがリアルな営業によって売り上げがもたらされています。買いたいものではないので、ネットでの販売は思ったほど伸び率が高くない現状があります。
こういった商品は、リアルな営業担当がお客様に一定程度の気づきを与える必要がありますが、単に説得しようとしても嫌がられるばかり。となると、説得の技法よりむしろ、タイミングがとても大事になります。
実際のところ、有名な芸能人がガンをカミングアウトしたり、ガンでなくなった時、ガン保険で有名な保険会社の問い合わせ電話は鳴りやまないそうです。そのタイミングをどう図るかが一つのキーなのかもしれません。

顧客のタイミングをどう認識するか?
たとえば自動車ディーラーなら
私たちは、たくさんの自動車保険を管理しています。つまり、その自動車の車検満了日のデータをたくさん持っていることになります。一般的にお客様が車の買い替えを考えるのが、車検のタイミングになる事から、車検満了日の数か月前からお客様にアプローチすると、私たち保険屋さんは自動車を比較的スムーズに売ることができるかもしれません。
こういったデータを持つことが非常に大事になります。保険でいえば、例えば空き巣被害や、放火被害が相次ぐ地域に「火災保険の見直しをしませんか?」と案内すると、少しは反応があるかもしれません。
とはいえ、一般的にはなかなかそのタイミングというのはわからないもの。ならば、定期的に「御用聞き」ができればいいのかもしれません。
いつもかかってくる不思議な電話
もう1年以上前から、数カ月おきにかかってくる電話があります。「〇〇ができる××株式会社です。いま、〇〇に関することでお困りではありませんか?」内容はこれだけです。いつも、「まあ、そうそうお願いするようなサービスじゃないし」なんて気軽に対応していると、たまたま今回、その会社の本業ではないものの、そうだんできるかな?と思える内容のことが頭に浮かびました。
すると先方は、小さな仕事でもすぐやらせてもらいます、と割と積極的です。1年かけて小さい仕事一つ。彼らにとって、これは割に合うビジネスなのでしょうか?
業者側から見てみると・・・
私も電話セールスはやったことがあります。なん百本もかけて、だいたいアポイントが取れるのは数件。で、会ってみても、ビジネスになるかどうかは時の運。そして名簿をどんどん変えてやっても、結局いい反応はありません。
しかし、先ほど紹介した業者は恐らく、手元には数百のリストを持っていて、それを繰り返し使っているはずです。同じところに何度もかけているのです。とうぜん、次回もかけられるよう悪い印象を残さないように、細心の注意を払います。
たぶん、この仕事はルーチン化されていて、週のうち何日かは、電話をかける。そして1社に何度もかけることで、「たまたまその会社が必要となる機会」を逃さないように拾うことができているのだと思います。
一般的に電話セールスも、一発勝負で、アポがとれるか、取れないか。取れなきゃ次!とやっていたものを、取れても取れなくても定期的に御用聞きにかえたわけです。たぶんこの方が間違いなく確率は高いと思います。上手く考えたなぁと思いました。

高確率セールスの原型
なぜこのカラクリが私には見えたのかというと、そういったセールスを試したことがあるからです。もう少し詳しく書かれているのが本書。
少し内容はバタ臭く感じる部分があるかもしれませんが、部分的にでも採用できることはあると思います。私もこの本を参考にしたことはずいぶんあります。