最近、「インサイドセールス」という言葉を耳にすることはないでしょうか?このインサイドセールスというのは、簡単に言うと「内勤型営業」とよばれます。逆に従来のように、顧客を訪問する外勤型の営業を「フィールドセールス」と呼びます。
目次
インサイドセールスっていったい何?
インサイドセールスが注目され始めた理由
「内勤型営業」ときいて、どんなイメージを抱かれるでしょうか?日本においては、たとえば「電話営業」「コールセンター営業」みたいなものを想像されるかもしれません。具体的には、大量のリストに電話をかけて、アポイントを取る、という流れですね。これは比較的古くからおこなわれている営業スタイルですが、それではなぜ今、インサイドセールスというものが注目されているのでしょうか?
それを理解するのは二つの流れを知る必要があります。一つ目は、アメリカにおける電話営業の厳しい規制。そして、もう一つはテクノロジーの進化です。
インサイドセールス発祥の地アメリカでの「セールス事情」
もともとインサイドセールスが発展したのは、アメリカが起点だと言います。ご承知の通りアメリカは非常に国土が広く、アメリカ全土を対象としたビジネスでいちいち訪問して行う営業は非現実的でした。そこで、電話セールスが非常に活発になったのですが、一般生活者にとってこの電話セールスがあまりにも頻繁であったり、悪質なものも多くこれらは州ごとに厳しく制限される状況になりました。
そうすると、積極的な電話セールスを行うことが難しくなり、電話セールスに際して「お客様の許可」が必要となってきました。するとお客様に電話以外の方法でコンタクトをとる必要が出てきて、次にダイレクトメールやWEBサイト、その他の広告による自社のサービスの告知がどんどん発達してきました。

IT技術は距離を超えた!?
電話セールスの欠点
さて、電話におけるセールスは効率が良く、便利な反面、様々なデメリットもあります。たとえば、お客さんとセールスパースンが同じ資料を見ながら、指さして確認するといった場の共有をすることは、電話では難しい。この欠点を、近年はIT技術がカバーするようになりました。
たとえば、あるサービスでは、お客様に所定のWEBサイトに見に行っていただくと、そこにセールス担当とお客様が同時に共有できる画面があり、テレビ電話のように話すことはもちろん、資料の共有も可能であったりします。
完全に同席している状態と同じとはいいがたいとはいえ、かなりの臨場感でお客様とコミュニケーションをとることが可能となってきました。
セールス先を生み出すマーケティングオートメーション
さらに「電話してもいい」というお客様をピックアップする仕組みが必要です。なぜなら、闇雲に名簿を買って電話をしても非効率だからです。そういったお客様の問い合わせを引き出すため、WEBサイトはますます工夫されています。たとえば、言葉の使い方、画像の使い方でお客様の反応の仕方は変わります。A・Bテストと言い、二パターンのWEBサイトを作成し、その反応を比較し、良いものを残すというようなことを比較的簡単にできるようにもなってきました。
また、WEBサイトに訪れたお客様が気軽に問い合わせできるチャットボット(自動応答チャット)や、そもそもWEBサイトを見てるお客様にチャットが立ち上がり「もしよろしければお電話でご説明できますが?」なんて言う提案を行ってくれるような仕組みもできています。
つまり、リストのほとんどが無関心な顧客に電話をしまくっていた時代から、わずかでも関心のあるお客様に電話をするという方法に大きく変わりつつあるのです。

フィールドセールスの限界
フィールドセールスの非効率
これまでは、買う見込みのなかったお客さまも含めて、何件も何件も電話をしたり訪問して、購買を促すセールスが一般的でした。商品がまだまだ知られていない商品ならいざ知らず、市場にあふれた商品をこういった営業で売り歩くのは非効率なことも多いでしょう。
かつては商品の利益率がそこそこ高かったので許されていたこういった戦略的な無駄がだんだんと許されなくなってきました。また、セールスを受けるお客様の側も、個人情報保護の風潮から、無作為にやってくるDMやセールス電話を怪しいと感じるようになっています。そうすると、かつて当たり前だった営業がうまくいかなくなっていく、というのは普通に起こる話です。
良い部分をミックスしていく
とはいえ、一旦関心を持っていただいたお客様へのアプローチとしてのフィールドセールスのクロージング成功率はかなり目を見張るものがあります。ここがリアルとヴァーチャルの違いで、目の前にセールスパースンがいるといないでは、成約率は相当変わってきます。
つまり、まだまだリアルなセールスはあったほうがいいと考えられそうです。しかし、それもやり方を変えていく必要があります。見込み客を作り、セールス担当は確率の高い見込み客だけを訪問する流れが理想的です。
となると、関心のあるお客様を集め、そういったお客様をリスト化する仕組みが必要となってきます。さて、御社にはそういった仕組みはあるのでしょうか?そういった部分にも、少し目を向けていくことが必要となってきているのではないでしょうか。