営業社員を「行動」で管理するという考え方

一般的には、営業社員は「結果」で管理されることが多いと思います。純粋に達成した売上成果で評価する、ということです。しかし一方で、この場合は難しい問題もあります。

たとえば、特段の営業活動をせずとも、たまたま大口の契約が舞い込んできたAさんと、一生懸命努力しているのに結果につながらなかったBさんとどちらを評価するでしょうか?普通ならAさんを評価する傾向が強いと思いますが、この場合Bさんとしては、頑張ったことを評価されず、少し複雑な心境と言えるのではないでしょうか。

営業成績はうつろいやすい

結果を評価すると社内で数字の取り合いが起こる!?

冒頭の例の通り、短期的に見ると特段の努力をしなかったのに、たまたま良い成績を残すこともあります。運も実力という言葉もありますが、結果としての数字を評価するとすれば、そういった運さえも評価の対象となります。こうなると、営業エリアや担当顧客といった振り分けもかなりシビアに検討しなければなります。社内で数字の取り合いが起こる事もあるでしょう。

また、コツコツと努力を積み重ねてきたBさんは、それが評価されないとするとこれからのやる気がついてこない可能性もあります。もちろん、結果が大事ではありますが、こういった努力は長期的に見ると花開くことも少なからずあります。では、会社としては、どちらに重きを置けばいいのでしょうか?

数字はどうすればできるのか?

努力に対して報酬を支払っていては、企業としては運営が難しいことは百も承知です。結果の出ないものにお金を支払うほど、中小企業に余裕はありません。では、ここで考えたいことがあります。その数字は、いったいどうすればできるのでしょうか?

それがわかれば、数字に向かう行動を指導することができます。行動そのものは運が作用するわけでもなければ、外的環境の影響も受けにくいわけです。本人一人がやるか、やらないか、という話になります。そこで、一つの方法として、「営業が数字を上げるための行動とは何か?」を明確にし、それを営業社員の評価に組み込む、という方法が考えられそうです。

費用をかけずに行動管理をする方法

システム化は必須ではない

営業社員の行動管理となると、一般的にはシステムの導入ということが頭に浮かぶでしょう。しかし一方で、システムにはコストがかかりますし、その習慣がない社員にシステム入力させるにもけっこうな労力がかかります。さらにはそれを常にチェックし、適宜アドバイスを出すといった、管理職のスキルも求められます。

もちろん、そこまでできれば理想的ですが、一足飛びには行けないのかもしれません。そういったときの段階的手段として、ある方法をご提案します。これだとシステムなどの投資は不要です。必要となるのは、100円均一ショップで売っている「カウンター」でOK。あの、カチカチとボタンを押せば、数を数えてくれるカウンターです。

営業成果につながる行動を分解する

まずはじめにやることは、営業成果につながる行動を分解していきます。たとえば、「お客様に電話する」「お客様にあう」「新しい人脈と出合う」「商談を行う」「既存のお客さまへのフォローを行う」「見積もりを提出する」・・・など。まあ職種や営業のスタイルによっていろんなものがあると思います。

これを営業成果に直結する度合いを見極めながら、「数値化」します。たとえば、「お客様に電話する=1点」「見積もりを出す=3点」といった感じです。これはあまり複雑にしすぎない程度がいいでしょう。そして、各営業社員に配ったカウンターで、1点につき1回、カウンターを押させます。そうすると、1日の行動が数値化できます。

この配転には少し戦略的な意図を持っておいたほうがいいと思います。例えば、営業社員というのは意味のない行動をすることはよくあります。そこは、定期的に会議などですり合わせながら、点数を調整していく必要があると思います。

行動と結果を振り返る

さて、毎日の行動を点数化すると、中には明らかに行動点数が低い人が出てきます。こういった人は、何が原因かを探ってみる必要があるでしょう。サボっているのか、点数にならない行動ばかりしているか、です。逆に、営業に役立つ行動なのに、点数化されていないものもあるかもしれません。

こういった振り返りで、だいたいの標準的な行動量がわかってきたら、こんどは「下限」の点数を決めてください。たとえば、1週間で100点を下限の行動点数とすれば、金曜日には難点累積されているかをチェックし、足りない分は行動で賄います。電話を何本もするもよし、日頃コンタクトを取っていないお客様を訪問するもよし、とにかく規定行動量だけは厳守。

そうすると、もし、設定した行動点数が正しければ、必ず底上げができるはずです。それができないとすれば、点数の付け方がおかしい可能性がありますので、行動の内容と配点を見直しします。

実はこの過程で、自分たちのチームの営業のやり方や、どうすれば業績が上がるか、標準的な行動はどのようなものなのかが徐々に明確になってきます。

 

もしよかったら試してみてください。弊社も一時期こういった試みを行っていましたので、ご相談があればお申し付けください。

人気記事

レンタルスペース

レンタルスペース

会社案内

会社案内

メルマガ登録

メルマガ・旬の経営情報
ページの先頭へ戻る