会社を経営していると、様々な広告媒体からセールスがあるのではないかと思います。私が思いつく中でも、地域のフリーペーパー、インターネット、バスや電車へのつり広告、雑誌、市役所の封筒などなど・・・。
こういった広告業者さんと話していて、ある不振点を感じることがあります。
目次
その広告はどれだけの効果があるのか?
ある広告代理店の回答
いろんな広告の提案がありますが、そういった業者さんとお話しする際、私が必ず質問することがあります。「あなたの提案通りに広告したとして、どれだけの反応(問い合わせ)が入りますか?」ということです。
それに対して彼らは、どれだけの人の目に触れる可能性があるか(たとえば神の倍台であれば発行部数)は話ができます。しかし、具体的な数値は伝えることができません。
なぜならほとんどの広告代理店は、その具体的な数値を把握していません。「広告は大きいほうがいい」「写真はこういう写真を入れたほうがいい」など、いろんな提案はしてきますが、そうしたことで何%効果が上がるかを把握している業者さんは私の経験上、皆無でした。
インターネット広告だけは数値化したデータを持っている
そんななか、インターネット広告だけは、それなりにしっかりした広告代理店は、数値データを持っていたりします。その理由はシンプルで、そういった仕掛けをすることが可能だからです。
一方、例えば、電車の中のつり広告をしたとして、そこから発生した問い合わせを広告業者が知ることはできません。「効果を把握したい」という強い思いがあれば、広告出稿企業にその後の状況をヒアリングすることも可能なはずですが、それをしている広告代理店を見かけたことはありません。
つまり彼らは、広告の効果には無関心で、広告を出稿してもらうことが彼らにとってのゴール。効果があるかないかには、あまり関心を持っていないところがほとんどなのです。
だから、彼らを「広告のプロ」と思っていると、痛い思いをすることがあるかもしれません。また逆に、広告を出した後の効果に関心を持つ広告代理店は、それだけ誠実である、ということが言えるのかもしれません。
広告の出し方は社内でデータを蓄積すべき
広告の経路を知る工夫
広告は人任せでは成功しません。となると、自社なりに学習が必要となってきます。その前提として、問い合わせや来店があった場合、そのお客様の認知毛色を知る仕組みが必要となります。
たとえば、来店客にアンケートを取るとか、紙の広告であればクーポン券や、クーポンコードを印刷し、一定程度のオファー(割引や粗品の提供)を行うことで広告からの問い合わせか、そうでないかがわかります。
そういった情報を集めたうえで、様々な媒体のうち、どこに出すのが有効なのかを検証しながら、自社内にノウハウをためていく必要があります。
広告のつくり方でも反応は変わる
たとえば、写真を入れるか、入れないか。目玉商品をどうするか。キャッチコピーをどう設定するか。そういった事を一つ一つ検証していくと、ほんのわずかな修正で広告の反響は劇的に変化することがあります。
古い話ですが、当社でもかつて電話帳に広告を出していました。毎年、デザインや内容を大きく変えていましたが、その変更で問い合わせの量、質、客層が大きく変わりました。残念ながら電話帳広告は、1年に1回しか変更ができないので試行錯誤がしにくい一面もありましたが、劇的に反応が変わった経験をしています。
A/Bテスト
インターネットの世界は、即時に内容を変更できることもあってこういった反響の調査は盛んにおこなわれています。同時に2種類の広告を出し、反響の強いものを修正し、効果を検証し・・・これを繰り返すことをA/Bテストと言いますが、そうやって改善を重ねていくことが普通になっています。
紙媒体や、つり広告だと、瞬時に変更することはできませんが、継続的に広告を出すとすれば、毎回、内容の見直しをしながらノウハウを社内に蓄積していくことが重要です。
広告感性の育て方
目に見える動きがわかりやすい
チラシや雑誌広告と言った場合、お客様の動きは見えない先にあります。しかし例えば、店頭に出す看板だとお客様の動きが目に見えます。
たとえば、簡単に書き換えができるA型看板を店頭に出します。
道行く人がその看板に気付いているか?気づいていないか?をまずチェックします。気づいていない場合、看板の位置を変えるとか、看板を目立たせる工夫が必要です。ちらっと視線を向けても素通りするとすれば、キャッチコピーに問題があるかもしれません。上手く、看板の前に立ち止まりつつ、読んではみたけどそのまま立ち去る人が多ければ、書いている内容に問題があるかもしれません。
そうやって、お客様がどこで関心を失うかを「目で見て」確認することで、お客様の心理がわかりやすくなります。
もし状況が許すなら、そういったことをやってみて、「目」を養うこともお試しいただけるとよいのではないかと思います。
まとめ
広告は人に任せればうまくいくというものではありません。自社においてどんな広告をどこに出すか?ということを戦略的に情報収集し、試していくというステップが必要になります。逆に、一発逆転!とばかりにバカでかい広告を出して上手くいけばいいですが、ふたを開けたらかけた広告費ほどのリターンがなかった、ということもよくある話です。しっかりと考えて動きたいものですね。
画像提供元:FalkenpostによるPixabayからの画像