営業担当者がスマートに情報提供する際に考えておきたい3つのこと

営業において重要なものの一つに、顧客との接触頻度を上げる、というものがあります。これはザイオンス(ザイアンス)効果と呼ばれ、心理学的にも実証されています。長時間の面談をたまに行うより、短時間の面談を頻繁に行うほうが好印象を持ちやすい、というものです。しかし、ちょっと待ってください。これだけを新人営業社員に教えると、ちょっと困ったことが起こる事があります。

営業行為は顧客の時間を奪っている?

営業電話を受けるわずらわしさ

経営者や経営幹部の立場にいる人なら、ご存知かと思います。何のかかわりもない起業からの営業電話のわずらわしさを。早く切りたいのに「ちょっとまってください」などと引き止められ、やっと切れたとき漏れるため息とともに、そのわずらわしさを実感する方も多いと思います。

立場を逆にすれば、あなたの会社の営業社員も、同じことをやっているのかもしれません。ビジネスを成立させるため、また、あなたがもつ有益な商品やサービスを多くのお客様に知っていただくため、やむを得ない部分はあるのかもしれません。しかし、実際のところ、ほとんどのお客様は、セールスを受けたときのあなたと同様、「自分の時間を奪われた」という感覚に陥っている可能性は否めません。

気を付けたいことその①営業は顧客の時間を奪う

ここで明確にしておきたいのは、こちらの都合による営業は、顧客の時間を奪っているということです。顧客は常に時間に追われています。取引したい、と思うお客様ほど(つまり経済活動が活発なお客様)、忙しいものです。そういったお客様に「時間を奪われている」と感じさせる面談は、冒頭でいうザイオンス効果を逆の意味で発揮してしまいます。何度も電話や訪問を受ければ受けるほど、その営業担当者を遠ざけたい、と感じてしまいます。

時々勘違いされているのは、「自分たちの商品はお客さんの悩みを解決するはずだ」という決めつけです。例えば、複合機の販売であれば「安いからいい」と思っていたり、「高機能だから良い」と思っている販売者に対して、顧客は安さより、高機能より、速さを求めているかもしれません。とりあえず「安いほうがいいだろう」という根拠の乏しい営業活動をしても、お客様は違う業者からも「安いですよ」という提案を受けている可能性が高いのです。

まずは営業行為は顧客の時間を奪っている、というところからスタートが必要になります。

営業は煩わしいが損はしたくない

営業を断って情報提供がなかったと憤る

顧客の立場でみると、煩わしい営業は避けたい一方、自分は損はしたくないと思うものです。なかなか聞く姿勢を持たない顧客も、何かのきっかけでその情報を知らなかったことで損をした、ということに出会うと、その営業担当者に不信感を抱くことがあります。「有益な情報ほど持ってこない営業担当者」というレッテルを貼ることで、自分の注意不足の責任を逃れたいのかもしれません。

営業担当者からすれば、「お客様はワガママだ」ということになるのかもしれませんが、お客様にとって有益な情報に耳を傾けていただける状態に持っていけなかった営業担当者の問題とも考えられます。

そもそもお客様のせいにしても、何のメリットもありません。ここでは、謙虚に物事を考えていきましょう。

気を付けたいことその②ほしい情報を提供する

そこで重要なのは、顧客が「営業されている」という感覚から、「ぜひ情報を欲しい」「ぜひ詳しく話を聞きたい」という感覚になっていただくことです。

その例えば、提供する情報の選択から始まります。営業の対象となる顧客は、今まさに何に悩んでいるだろうか?どんな関心を持っているだろうか?何を解決したいのだろうか?こういったことからスタートして、「まさに、このことで悩んでいたんだよ」と言っていただけるような情報提供を心掛けることが大事です。

お客さまの関心ごとについて、営業社員がそれぞれヒアリングしたり、想像したりして、営業会議などで情報共有する機会をもつのがいいかもしれません。やってみてわかるのですが、意外なほどに顧客の関心の対象を知らないことが多いのです。

売り込まれれば断りたくなる

人は選択を迫られると逃げたくなる生き物

恋人から、「好きか嫌いかはっきりしてよ!」と言われた時、どんな反応をするでしょうか。こんな風に迫られる以上は、はっきりしない態度があったのでしょう。ということはつまり、「好きで好きでしょうがない」というわけでもなければ、「嫌いだから別れたい」というわけでもないでしょう。

そんな時に決断を迫られると、「はいはい、好きですよ」とちょっと茶化した言い方をしてしまったり、回答を保留したりすること、ないでしょうか?人は何かしらの選択を迫られると、決断を回避したくなることがあります。また、そういった営業の現場では、買ってください!といわれると、苦し紛れに「考えておきます」といってその場を立ち去ろうとしがちです。

相手が、買いたいけどどうしよう、という段階なら背中を押すのもアリですが、そもそも買うか買わないかを決めてない状態で結論を迫られると、反射的に断る確率が高いのです。

気を付けたいことその③情報提供はクロージングではない

情報提供に伺いました、と言ったなら、その約束を守ってください。情報提供の場はクロージングの場ではありません。目的は、「次も友好的に面談できる状態を作る」ことです。そうやって信頼関係を作りながら、クロージングに近づいていくのが一般的です。

もちろんその場で、質問をうまく活用してクロージングに持っていく方法も考えられますが、それはそれで相応の研究が必要です。特に、営業をまだ始めて間もない社員などの場合は、徐々に顧客との距離を近づけていく方法から教えていくのが失敗の可能性が低いと思います。

また、お客様がそもそもあなたの会社の商品・製品に強い関心を示しているのなら、誠実な対応さえすればその場でのクロージングも可能です。

しかし、そこまで顧客の意思が固まっていない場合は、顧客の解決したい問題を一緒に考える立場として考えていく必要があるでしょう。

 

ありがちなパターンとして、アポイントの際には「情報提供」といいつつ、会ってみたらしつこくセールスされたというもの。これは顧客にしてみれば、「だまされた」という感覚が強く残ります。あまりお勧めしないので、お気を付けください。

 
画像提供元:Coffee BeanによるPixabayからの画像

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