お客様の財布と自分の財布は違う
価値観の違いはお金の使い方の違いに
昔、セールスに関して先輩からよく言われたのは、「お前の財布と、お客様の財布は違う」ということ。当たり前の話ですが、私の収入とお客様の収入は違います。つまり、お金に関する感覚は全く違うわけです。さらに言えば、どんなお金持ちのお客様でも、価値を感じればお金を払いますが、価値を感じなければおカネは出さないということ。同じ500円のランチでも、それを安いからうれしいと言って喜んでくださる人もいれば、500円のランチに価値を感じないからもっと高いものを食べたいという方もいらっしゃいます。一つは、私たちは、どちらのお客様の満足にコミットするか。そんなところを確認していく必要があります。
まずはお客様は誰か、という問いにたいして、私たちの考え方を明確にする必要がありそうです。
お客様を観察する
人は様々な価値観を持つ人を実体験で知っているにもかかわらず、私たちはついついお客様を十把一絡げで判断しがちです。お客様は〇〇に違いないという固定観念でビジネスをしていると、いずれそれはどこかで問題を生んだり、うまくいかなかったりするようになるのではないかと思います。
ここ数年でビジネスが今一つうまくいかなくなってきた、となるとついつい外部環境の変化に着目しがちなのですが、あんがい、そういう時こそお客様の本音はどこにあるのか?ということに着目していくことが必要なのではないでしょうか。
それを知る方法は、例えば販売データやお客様ごとの購買履歴などのデータを見ることでヒントを得ることができるかもしれません。また、アンケートなどでも知ることもできるかもしれませんが、やはりリアルなインタビューであったり、雑談の中で漏らすお声であったり、日ごろの生活や事業活動の中でとられている行動パターンなどをしることで初めて気づくこともあるかもしれません。
そういう意味では、お客様とのコミュニケーションを増やし、想像力をたくましくお客様の行動についてを検討していくことも必要と思われます。困った時こそ、お客様を見るということがとても大切なように思います。
思い込みのギャップ
業界の常識は無視したほうがいい!?
以前、美容師である友人がこんなことを言っていました。「会話でお客様を楽しませるのも美容師のスキル」。確かにスキルとしては持っていたほうがいいのでしょうが、逆に、常にそういった美容師との会話を求めているか、問いえばそうとも言えないようです。私の知人の中では、「放っておいてほしい」とか「話をする暇があればさっさと終わらせてほしい」と思っている人が意外と多いように思います。かくいう私もその一人で、一人にさせてほしいと思っているのですが、理容師はどうやら話し好きなのか、話さなければならないと思っているのか、関心のない話を投げかけられます。
彼らの世界ではそれが常識なのかもしれませんが、私は「私たちは話しません」というと理髪店・美容室があれば、そこに変えたいとさえ思うことがあります。そういった業界常識というのは、少し古い世代がつくった最大公約数的なものなのかもしれません。今の私たちのお客様が変わらずそれを求めてるかといえば、そうでもないことはあるかもしれません。
私たちはどんなお客様と付き合うかを決めたなら、誰かが見出した常識ではなく、自分たち独自の視点でお客様を観察した結果、何をして、何を辞めるかを考えるべきなのかもしれません。
そして、そうしなければ、差別化などできやしないのです。
困った時にはお客様に立ち返る。当たり前のようでいてなかなかできないことですので、ことあるごとに思い出したいものですね。
