あなたの会社の経験が新しいビジネスになる?
うまくいったことを同業者に教えちゃおう
今から20年ほど前でしょうか。コンサルティング業がとてもはやったことがありました。その時に一部の前向きな企業がよくやっていたのが、同業者に自分たちがうまく言ったコツを教える、というものです。同じ業界の中にいるライバルですが、ライバルはなかなか解消できていない社内の問題を、皆さんの会社はすでに解決しているということはないでしょうか。あるいは、同業他社とは全く違うやり方でとても簡素化することできたことってないでしょうか。
確かにそれは他社との差別化要因となる喜本なるノウハウなのかもしれません。その場合、それを流出させることは確かにリスクなのかもしれませんが、例えば競合しない地域の業者向けであったりという出し方もできるかもしれません。
ある一冊の小冊子
たとえば、私の場合は業界的に義務付けられている社員教育の管理に関するノウハウを販売してみました。これは多くの同業他社が月に一回、数時間の時間を取り社員教育をしていました。しかしこれだと準備も大変ですし、参加者的にも非常に重い。これを毎日の朝礼に組み込むことで習慣化する方法。そしてそういった軽い勉強会を毎日する理由(同業他社とは全く違うスタイルなので、監督官庁の調査が入った場合になぜそういう開催方法をとっているかの理由が説明できることが大事)や、実際の管理方法やテーマを含めて一冊の小冊子(マニュアル)にしてみました。
決して値段は高くは設定しませんでしたが、そこそこ売れました。
こういったことがきっかけで、新しいビジネスが会社に根付くということもあるのかもしれません。
ノウハウを流通させると・・・
ある同業他社が秘匿したノウハウ
私どもの業界はどちらかといえば、自分たちがやってきたことを他社にオープンに話す方が多いと思います。かなり地域性が強いビジネスなので、少し離れた地域の同業他社とは競合しにくいという理由があるからかもしれません。こういった中で、ある同業他社が大したこともないノウハウを大げさに隠そうと必死でした。結果として彼は、情報交流の輪からはずされ、結局情報源を失ったりもしました。
中小企業レベルにおいて、ほとんどのノウハウというものはさほど重要なものではないことも多いし、逆にそれを懇切丁寧に教えても社内に定着させるほどに一生懸命実践する人が少ないのも一つの特徴です。たいていは流出させたデメリットよりも、逆にむしろ情報が集まり始めるメリットのほうが大きいと思います。そのうえで、お金をいただけるのですからこんなありがたい話はありません。
もし新規事業として何かを検討されるとすれば、自社のノウハウを売るということを選択肢の一つとして検討されてはいかがでしょうか。
