会社を守るシンプルな工夫

一度ある事は二度ある?

ある企業の倉庫で見た光景

台風がやってくる。そんな予報が出ているとき、たまたまある企業の倉庫にお邪魔したことがあります。仕事上、その職場にいる方に会いに行ったのです。その倉庫、実は少し海抜が低い位置にある事、近くに川がある事などといったことがあり、何度か小尾品が水につかったことのある場所です。

その倉庫が水につかったのは、もう10年近く前で当時を知る人はその職場にはいなかったようです。そこで少しお願いして、地べたにおいてある商品を、できるだけ上の棚に移していただくようにお願いしました。棚に置ききれない商品は、木製パレットをいくつか積み重ね、少しそこをあげておいておくようお願いしました。

結果、翌日の雨で工場は大雨で床がずいぶん水濡れを興しまいたが、商品はほとんど被害を受けることはなかったそうです。たった、10センチ~20センチ程度床から商品をあげただけで、明暗が分かれた事例でした。

マニュアルの中で仕事をしている人たち

会社が大きくなってくると、仕事の多くがマニュアルで決められた形になり、そのマニュアルに縛られることが多いと思います。すると、現場では自分で考えた事より、マニュアルを優先させる傾向が出てきます。すると、明らかに水が浸入するであろう予報を見ていても、マニュアルに書いていないことを考え、指示できる人は早々いらっしゃらないようです。

マニュアル通りにやって良くない結果が出ても、マニュアルの問題と言えますが、マニュアルに書いていないことをやって何か問題が起きると、それをやった人の責任になりがちです。そんな社風が社内を硬直化させているケースはけっこうあるように思います。

この水害は、10年に1度程度の問題なのですが、そのために被る被害は決して安いものではありませんし、復旧には相応の手間がかかります。これを何とかできないものかと思うのですが、いかがでしょうか。

仕事の進め方にリスクマネジメントを組み込む

頻度が低いことに備えるコスト対効果

たとえば、10年に一度の災害のために、毎日、面倒な手続きを行うのはコストや時間の無駄、と言えるかもしれません。もしそれを、保険などに転嫁することができるなら、さっさとっそういった方法で備えるのがベストと言えるでしょう。

しかしなんだかんだ言って、たまたまそのタイミングにその現場で働いていた人にとってはけっこうな重荷ではあります。だから防ぐに越したことはないわけです。ではどういうことができるかというと、たとえば、10年に一度10~20センチの床上浸水があるとすれば、20センチ底上げした床をおごってみるとか、ものの置き場所を日ごろからそういった事態でも対応できる場所にするとか、いろんな工夫ができるかもしれません。

リスクマネジメントにお金やコストをかけることを嫌がる経営者は多いですが、ちょっとした工夫でできるリスクマネジメントはあるはずです。そんなことをたまに社内で話し合うことで、実際に行う対策以上に、リスクに対する感度が高い社員さんを育てる事にもなるのではないかと思います。

経営者が関心を持っていることに従業員も関心を持つ傾向があります。まずは経営者から、リスクに対する関心をもってみると防災・減災への社風が高まるかもしれません。

Pashminu MansukhaniによるPixabayからの画像

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