時代の変化と経営者のパラダイムシフト

経営者にとって「安定」というのは、理想の姿なのかもしれません。何も問題がおこらず、会社は粛々と売り上げを生み出し、その富が還元される。まるで、精密機械のように動く会社の仕組みを作る事が出来たら・・・。そんな風に考えられる経営者も多いのではないでしょうか。

しかし、最近感じるのは、それは「可能性が限りなくゼロ」であるということ。なぜなら、同じ商品を扱っていれば飽きられるし、同じスペックのサービスでは競争に勝てません。事態は常に変化しているなかで、自分達だけが「安定」することなど不可能なのです。

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

4つの世界の中で生きるビジネスパースン

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN』という本がとても興味深かったのでご紹介したいと思います。この本、イントロダクションからどこか哲学的。概念として感じ取るのが難しいと感じる人がいるかもしれませんが、ちょうどYouTubeに動画がアップされていたのでその内容とともに見てまいりたいと思います。

本書でご紹介されている4つの世界を見てまいりましょう。

Antonio DoumasによるPixabayからの画像

カイゼンの農地

まずはカイゼンの農地です。ここでは「誰かが規定したゴールを基準にすべてが動いている」といいます。
KPI(Key Performance Indicator)、つまり「重要業績評価指標」を定め、そこに向かって邁進する仕事が一般的です。どういうことかというと、一つの目的を達成する仕事には常に「正解」があるという前提。そしてその正解を探り当てるため、重要な指標を決め(例えば営業でいえば訪問件数など)、その指標を最大化するためのカイゼンを行っていく、という考え方です。

これは仕事をシステマチックにとらえていくがゆえに、AIに代替されやすい仕事の進め方と言えるでしょう。そんな不安をはらみつつも、過去をベースに考えることが大原則になるため、「予測可能」の居心地の良さから、この場を出られないでいることが多い、と考えられます。

戦略の荒野

次に現れるのが、戦略の荒野。
他者を出し抜き、シェアを奪い、自社を押し上げる闘いの地と言えます。戦場を抜けるために、一つ頭抜きん出ようとするものの、一握りの成功者とそれ以外の敗者に分類される状態が見えます。

そして戦いに疲弊し、「なんのために働いているのだろうか?」という疑問が頭をもたげ始めます。

デザインの平原

戦略の荒野から抜け出すと見えるのが、デザインの平原。しかし、個々には原住民がいます。彼らとの圧倒的な差に、どこか自己嫌悪を感じてしまうステージでもあります。

人生芸術の山脈

ビジョンの北極星、恐らくそれが自分が目指すあり方のようなものだと思いますが、そこを目指す人たちのいる場所。しかし、問題は「有用性の谷」。楽しい事だけやればいい、好きを仕事にしよう、という掛け声はよく聞きますが、それが世間的に有用性でなければビジネスになりません。

この流れ、以下の動画でアニメになって紹介されているので見てみてください。

あなたはどこで生きるか?

閉塞感の理由

中小企業にとって、大企業が何をやっているかというのはとても参考になります。この動画をみていると、大企業ではカイゼンの農地と、戦略の荒野をウロチョロしていると思います。ここをぐるぐる回っている以上は、たぶんなかなかステージアップができません。なぜならば、カイゼンの農地は「過去の経験」が、そして戦略の荒野は「現在のライバル」が、会社の方向性決定のキーになるからです。そこに、オリジナリティとかビジョンとか、目指すべきものが見えないからです。

こういった大企業が、かつては「強く大きく」を目指し、「シェアアップ」を標榜してやってきたところから、完全に市場が変わってしまっているからです。

どちらかと言えば、デザインの平原や人生芸術の山は、ベンチャー企業の独壇場です。

もちろんどれがいいとか悪いとかいうわけではありません。ただ、本書では、こういった考えではこれからのビジネスは難しいのではないか?という違うレイヤーでの考えを推奨して動画は終わります。

さて、あなたは、どこの住人でしょうか?

社会が変化していることと自分の立ち位置

この4つの世界という表現、なんとなく社会の価値観を良く表していると思いませんか?そして、カイゼンの農地や戦略の荒野においては、抜本的な働き方改革というのは難しい気がしてきます。根本的な会社のステージを変える必要があるのです。

そういった世界観を知るとともに、自分の会社がどこにいて、どこに位置させたいかということを考えていくことは結構大事だと思います。こういった、抽象的な議論を経営者は嫌う傾向がありますが、時代的にはこういった抽象論をしっかり作り上げられることが経営の中に求められている、と私は考えています。

良ければ本書も参考にしてみて下さい。

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