多くの会社で、今日も会議が開かれていると思います。大きい会社ほど会議が多いようにも思えます。また、一説によると会議が増える会社は危ない、という考え方もあるようです。なるほど、組織が大きくなると、会議や上司への忖度のほうが顧客への対応よりも優先順位が高い、という風潮もあります。
とはいえ、必要な会議も多数あります。これらが、開催された意義を失わない工夫も必要です。その手掛かりとなる「議事録」について少し考えてみましょう。
目次
議事録にどれだけの時間が割かれているか?
会議議事録の重要性
会社によって会議の議事録は、輪番制で担当したり、もっとも若い社員が担当したり、それは会社やチームによってさまざまでしょう。会議後3日以内に議事録を社内で共有するとか、いろんなルールがあると思います。
確かにこういった記録は必要で、何がいつ話しあわれどんな結論になったかを社内で共有するのはとても重要なことです。
しかし一方で、これに膨大な時間を割いていることもあるようです。ある大企業では、、会議の様子を録音しておき、文字お越しをしてるようです。そういった議事録は議論がどういう経路をたどって結論に至ったかがわかります。とはいえ、読むほうも大変ですし、そもそもこの記録を作るのにどれだけの時間が浪費されているのでしょうか。
中小企業では現実的ではない
先の事例のように、すべての発言を記録するというのは大きな組織ならではと言えるでしょう。少なくとも、中小企業ではそんなことに半日をかけられるほど人員に余裕があるとは思えません。
たとえば最近はWEB会議システムには録画機能がついています。私自身、別会社の会議においてこういった仕組みを利用することはありますが、録画された動画を見たことは一度もありません。結局「記憶が頼り」になってしまうという状況に陥ってしまいます。
また、私どもの同業者(保険代理店)は、けっこう凝った議事録を残すところもあるようです。というのも、金融業の端っこにいますので、内部管理体制としてそういった記録が非常に重視されます。ということで、求められる以上に頑張って作っている会社もあるようです。
原点に返った時、議事録に求められること
議事録の役割を考え直す
たとえば、すべての発言を文字起こしして記録する、というのは目的としては「証拠」を残すことではないかと思います。決定の過程でAさんはこういう意見を言った、Bさんはこういう意見を言った、という記録ですね。何か問題があった時にその記録をほじくり出してきて、「俺はあの時反対したんだ!」というためには結構使えそうです。
しかし、これは本来の議事録の使い方とは違うようです。
一般的な企業における議事録というのは、いつ、だれが、どんなテーマで話し合い、どんな結果になったか?というのがわかれば事足りるわけです。ということであれば、こういうフォーマットを用意すればいいでしょう。
①開催日
②参加者
③テーマ
④結果
基本的にはこれで十分です。これにそって、決まったことを記録していけばいいだけです。その過程は、この際省略してもいいでしょう。
使える議事録
さらに、中小企業としては、すべての会議が成果に結びつく効率が大事です。とするならば、こんな項目にしてみてはいかがでしょう。
①開催日
②参加者
③決まったこと
④実行責任者
⑤期限
これは、何が決定されたかを記録し、その実行責任者をそれぞれのテーマで決定します。さらにはその期限を定めるわけです。つまり、議事録がそのままタスクのチェックリストになります。
実際に、スタートアップではこういった効率と実行重視の議事録を作ることが多いようです。
記録というよりいかにして行動に結びつけるか
ここまで見てきたように、リソースが限られる中小企業においては、どんな記録を残すか?というよりも、
・どれだけ余計な手間を省けるか?
・いかにして行動に結びつけるか?
というリアルな仕事への働き掛けと近い距離感が、たとえ議事録の作成一つとっても重要なのではないかと思います。
そういう意味では、見て美しい議事録なんて必要ないわけで、手書きでも何でもいいのです。そこに修行のような小ぎれいな議事録を求めるとしたら、中小企業特有の小回りが利かなくなってくるのではないでしょうか。
中小企業の感覚が大企業化してしまうというのは、ある意味危険な状況ではないかと思うのですがいかがでしょうか。