リーダーとしての決断の価値基準
社長の仕事は決めること
社長の仕事は決断である。そう説くリーダーはけっこうたくさんいらっしゃいます。じゃあその決めるという動作は、どうやってやればいいのでしょうか。無数の選択肢の中でどうするか。いろんな可能性がある中で、やるかやらないかをどう決めるか。人はその価値基準を自分の中に持っているはずですが、人によって一定の傾向がみられるのではないかと思います。
それは、無難な選択を選びがちな人と、人が選ばないものを選ぶ人、ということになるのかもしれません。
責任と選択はつながっている
何の責任も負わなければ、決断なんて決してむつかしいものでもありません。適当に決めればいいだけなのですから。しかし決断が難しいのは、その結果の責任を持たねばならぬところでしょう。経営者の決断は、時として会社の屋台骨を揺るがすような事態につながることもあれば、会社が躍進するきっかけになる事もあります。そして意外と理不尽なのは、良い決断ができたときに受け取るものと、間違った決断で負うものを比べると、どちらかと言えば間違ったときの負の責任のほうが大きいことが多いような気がします。
ところで、私たちは責任を持つべく選択するから、傾向として「つまらない選択」をしがちではないか、とときおり思うことがあります。ありがちな選択、世間的に認められやすい選択、結果が出なくても言い訳しやすい選択を、私たちはとりがちのような気がします。
無難な選択は自分の選択とは言えない
自分の力を試したいならば……
実は多くの経営者は、比較的無難な選択をすることが多いのではないかと思います。その双肩には、会社であったり、そこに集う従業員であったり、様々な人たちのことを考えて会社を運営している以上、会社をリスクにさらすわけにはいきません。だから、無難で、堅実な選択を行いがちです。しかし一方で、それなりに大胆な結果を求めるとすれば、実は大胆な選択をする必要が出てくるのではないでしょうか。誰もが選ぶ無難な選択ではなく、独自の路線を創り出す必要があるのです。
そもそも無難な選択というのは、経営者自身の選択とは言えません。そこを乗り越えて、リスクていくするところまで来て初めてその経営者の個性が出る、と言えるのかもしれません。
もちろん、無難な選択を続けて任期を終えるまで冒険しないという選択肢もあります。ただそれで物足りない経営者は、選択肢を「オモシロソウ」なものに変えるだけで一気に世界が変わってくると思うのですがいかがでしょうか。