両利きの経営ってなに?

中小企業もやってみたい両利き経営

「探索」と「深化」

今、一部で話題の「両利きの経営」っていったいどんなものでしょう。元ネタになった書籍のAmazonの説明文にこんな風に書かれていました。

「両利きの経営」とは?
知の探索……自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする行為
 +
知の深化……自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深掘りし、磨き込んでいく行為

『両利きの経営』Amazon紹介ページ

私なりの解釈でいくと、従来の事業を深め、磨くのが、深化。
新たな事業の発見を目指して動くのが探索ではないかと感じました。

急進派と現状重視派での確執

一般的な中小企業においても、「会社をどんどん変化させよう」という考えと、「従来のビジネスをもっとしっかりやらないと」という考えがぶつかることは多いと思います。今までの考え方なら、これを統一し、同じ方向に進むべき、というのがありがちな考え方だったかと思います。しかし、海外のビジネス大学の先生によると、これらを同時に動かすことが肝要という結論を出しています。

書籍『両利きの経営』においては、その成功企業の事例がたくさん紹介されています。その多くは比較的大きな規模の会社ばかりですが、あるいは中小企業においても同じ考え方が使えるのではないかと思ったりします。もちろん、人材の厚さが違うので、同じレベルではできないのかもしれませんが、チャレンジする価値はあるのではないかと思います。

両利きの経営を実現するリーダーシップ

両利き経営のリーダーシップの五原則

書籍には、両利き経営におけるリーダーシップについて書かれています。

①心に訴えかける戦略的抱負を示して、幹部チームを巻き込む。
②どこに探索と深化との緊張関係を持たせるかを明確に選定する。
③幹部チーム間の対立に向き合い、葛藤から学び、事業間のバランスを図る。
④「一貫して矛盾する」リーダーシップ行動を実践する。
⑤探索事業や深化事業についての議論や意思決定の実践に時間を割く。

両利きの経営―「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く(チャールズ・A・オライリー, マイケル・L・タッシュマン)

これをみると、かなり難しい。
チームを鼓舞するような未来を見せ、探索と深化の緊張関係のバランスを取り(緊張関係が発生する前提)、対立に向き合い(対立が起こる前提)、しかも「一貫して矛盾する」という二つの顔を使い分ける必要が出てきそうです。これを中小企業の場合、一人の経営者がやる事になる場合が多いように思いますが、それって至難の業かもしれません。

ただ、とても大事だと思うのは、部門間の緊張関係や対立は起こる前提である、ということ。私たちはこういった不和が見えると、ついそこで道を進むことを辞めてしまいがちですが、緊張や対立は起こるもの、と知っているだけでも気持ちの余裕はずいぶん変わってくるかもしれません。

リーダーの能力が重要?

リーダーの五原則を見てみると、リーダーの役割の重要さがよくわかります。役割と言っても、強く支持する役割というより、非常に微妙な機微を調整する職人芸的な人間関係調整が必要となってきそうです。実はそれが非常に難しいから、企業というのは単一の方向性しか示すことができなかったのかもしれません。二兎を追うには、リーダーの許容度を大きく広げていくことが必要不可欠なのかもしれません。

産休・育休などで様々な雇用形態を考えてみる

中小企業における産休・育休の重さ

やりたくてもできない!?

産休・育休というものが中小企業でも導入され始めてからそんなに立っていないと思うのですが、今や男性社員もそういった休暇を取ることが徐々に広がり始めているようです。その趣旨は分かるものの、中小企業においてはいつも最低限の人員で仕事を回している関係上、なかなか社員が産休・育休をとるということを物理的に受け入れにくい状況があるのではないでしょうか。産休・育休中は給与の支払い義務はないとはいえ、代替要員の確保、そしてその人の教育、また復帰後の会社の財政。そもそも、産休・育休をとったまま辞めていく社員だっていることを考えると、経営サイドにとってはリスクばかりが目立ってしまいます。

経営者としては、そういった制度はしっかり活用してもらいたいと思う反面、ちょっと迷惑に感じるシーンもないとは言えないのではないでしょうか。

働き方のバリエーションが増えている!?

ただ、今非常にありがたいのは、この制度が浸透し始めたころと違って、働き方に多様性が認められている風潮があるということ。たとえば、ほかの勤め先に所属しながら副業で一定時間、あるいは一定の仕事をやってもらうということもできます。そこから考えたとき、たとえば同業他社などで若干人がだぶついているところがあれば、そこに一部の仕事を依頼して委託料を支払うというのもありでしょう。会社に出社できないならば、テレワークという方法もあります。また、仕事の一部を外注化するという方法だってあるわけです。個人情報を扱う部分はなかなか難しい部分もあろうかと思いますが、仕事を個人情報を扱う仕事とそうでない仕事に仕分けするとか、いろんなアイデアを出すことはできそうです。

かつてのように、普通に、雇用、アルバイトやパートというだけではなく、比較的気軽に手伝ってもらう感覚で仕事をお願いできるような環境もあるようには思います。

きっかけとしてとらえる

初めてのことも試してみる

今回の産休・育休の話に限らず、何か新しい課題というのは、新しい挑戦への一つのきっかけじゃないかと思います。私の会社でも今まで、複数の社員が産休・育休をとっており、大変ではありましたがどうにかこうにかそれを乗り切った経験があります。そこでたとえば、「一人いなくても少し工夫すれば会社を回すことができるかもしれない」「ただ、その一人がいるときにこそ何か次につながる仕事をしたほうがいい」などと様々な気付きがあります。当社ではこれをきっかけに、社員間で仕事の受け渡しがしやすいようなマニュアル化をすすめたりもしました。

経営していればいろんなことがありますが、それを障害としてとらえるのではなく、機会としてとらえられるといいな、なんて思う今日この頃です。

人それぞれが見えているものが違うことを知る

「自由にやっていい」ということの意味

ひとによってちがう「自由」の定義

先日、あるセミナーに参加させていただきました。そのセミナーでは、人を四つのタイプに分けて、それぞれの特質を学ぶものです。そんななか、「自由にやっていい」と言われた時、皆さんならどうされますか?という質問がありました。とても面白いことに、それぞれが感じ取る自由の範囲というのはけっこう違うもので、ある人は何かを計画するときに自由にやっていいと言われたら、会社を飛び出してカフェに行って考える、なんていうことを言い出します。一方、ある人は、幾ら自由と言っても会議室を出たらだめでしょう、と考えて会議室の中で、自分なりの発想で計画を立てようとします。そのほかにもいろんなタイプがありますが、それぞれのあたりまえがあり、それぞれに違う人がいる。この原則を私たちは意外と大人になってもわかっていないことは多いものです。

コミュニケーションの難しさ

たったひとつの単語でさえ、人によって解釈が違うので、いくつもの言葉を組み合わせた日々の会話というのは、誤解の連続なのかもしれません。こちらでいとした言葉を、相手は違う風に受け取っていることも少なからずあるでしょう。案外私たちのコミュニケーションというのはそういうあいまいさの中で何とか成り立っているのかもしれません。

指示は具体的にし、あいまいな形容詞を出来るだけ使わない

単語一つで同じ思いを抱かせることができるとは思わない

先ほどの「自由に」ということに関して言えば、部下に対して5W1Hをしっかり伝えることで誤解を回避できるかもしれません。もちろん、実際の仕事現場においては、人は「自由に」といった人の考える「自由」とは何かをイメージし、そこから大きく外れないような配慮は行いますから、現場が混乱することはそう多くはありません。とはいえ、本当の思いが伝わっているかと言えば、そこも怪しい部分もあるのではないかと思います。

ここぞということに関しては、5W1hに則って具体的に伝える。こうすることで意図を効率的に伝えられる可能性が高まるのではないかと思うのですがいかがでしょうか。

営業活動に関する気になるデータ

HubSpot社によるレポート

数値化されにくい「営業」という仕事

営業という仕事は結果としての数値は非常にシビアに管理されます。しかし、その過程にかんしてはなかなか科学的なメスが入っていないのが現状ではないかと思います。いろんな意味において、営業現場はどこまでいってもアナログ感が大手を振るっている感覚があります。営業という仕事が嫌われがちな背景には、「どう頑張っていいかの指導がなされないにもかかわらず、結果だけが求められる」というある意味理不尽な現場だからという理由があるのかもしれません。なるほど私に関して言えば、営業のコツを教えてもらったことは一度もなかったように思います。逆に、営業研修といえばどちらかといえば小手先の技術ばかりが取り上げられがちで、使えそうで使えないというのが多いように思います。しかし近年、営業の動作一つ一つを数値化するという試みが特に海外では進んできているようです。

【2020年版】営業活動の改善に役立つ73の衝撃的な統計データ

HubSpot社による『【2020年版】営業活動の改善に役立つ73の衝撃的な統計データ』というものが公開されています。とても興味深いものなのでぜひご一読いただければと思いますが、実際の貴社での営業チームの営業における戦略や戦術を検討する際にとても価値のあるデータの数々ではないかと思います。

例えばこんな記述があります。

1か月間にパイプラインに追加される商談の数と売上目標の達成率の間には相関が見られます。HubSpot Researchの調査によると、1か月間の商談数が50件以下の企業では、収益目標を達成できない割合が72%なのに対し、51~100件の会社では15%、101~200件の会社ではわずか4%にとどまります。

【2020年版】営業活動の改善に役立つ73の衝撃的な統計データ

当たり前といえば当たり前かもしれませんが、商談数と収益の関係ですが具体的な数値を示して、参考値を出しているケースはあまり多くないと思われます。

個人的に興味深いな、と思ったのはこんなデータです。

プロスペクトの6割近くが、最初の電話で価格について聞きたいと考えています。

【2020年版】営業活動の改善に役立つ73の衝撃的な統計データ

私たちの業界(保険業界)での新規活動において、値段は電話で答えるな、とにかく会うことを最重視せよという風に習いましたが、実際のところではお客様の要望とは少しずれが生じているのかもしれません。

営業の作業手順書を考えてみる

ほかの仕事では当たり前の「手順」を社内にもちたい

営業という仕事の成果が不安定で読めない。担当者の力量に大きく左右される。そういった背景には、ほかの仕事と違い、「こうすればうまくいく」という方法が確立されていないからだと思われます。どうしても職人芸的な形でそれぞれ工夫すべし、という状況に落ち着きがちです。ここまで精緻な調査でなくとも、営業会議ではうまく言った事例とそうでない事例を共有するなど、うまくいく方法を解明することを考えてみるのがいいのかもしれません。

政治への不満は従業員の経営への不満?

政治という高度なマネジメントを観察することは会社経営の役に立つ

不満が噴出する政府への対応

政府がある一つの目的へ向かおうとするとき、私たちは雑談の中でその政策への不満をよく口にします。そして、「もっとこうすればいいのに」という代案さえも提案することもあるでしょう。政治というのは高度なマネジメント。じつは、そこに何かしらの意見を持っているということは、会社の中にも役立てるべきアイデアがあるという風に言えるように思うのですがいかがでしょうか。

たとえば、今現在おこなわれている、ウィルスの封じ込め作戦などはわかりやすい事例だと思います。2021年5月6日現在一部の地区に緊急事態宣言が発令していますが、どことなくその宣言の効力は強い影響力を持っていないように思います。その理由はおそらく、このことが本当に価値ある取り組みなのかを私たち国民が疑いを持ってみているというか、信用していないという部分にあるのではないでしょうか。このことを会社に当てはめてみたときに、会社が向かうゴールについて「今やっている仕事が役に立つのか?」という疑問を社員が持ち始めれば、会社はまとまらないということになるのではないかと思います。

道筋を示せ

今回の緊急時代宣言において、おそらく大事なのは道筋を示しきれていないことではないかと思うのです。今こうすれば、次にこういう事態になるから、これにこう対処して、最終的にはウィルスの封じ込めが実現する、という納得感のある道筋を脳に刷り込むことができればわたしたちも「ならば少しの間は我慢しよう」という気持ちも芽生えるのかもしれません。しかし現状はそれがないから「どうせ無駄なら、すきをついて今を楽しむことを考えよう」という考えの人が多く出てくるのかもしれません。会社においてはさぼる人が続出するような状態といえるかもしれません。納得感のあるゴールへの道筋。これは人をまとめるうえでとても大事な要素なのかもしれません。

他人事ほどよくわかる

普通なら「従業員の問題」で終わりがちな話

社内で日々起きる問題や、経営者の号令に誰一人本気になってくれないといったモチベーションの問題は、往々にして社員の資質や個人のやる気の問題としてかたずけられがちです。そしてもっといい社員を雇いたい、という思いに至ることが多いのですが、実はこういった問題は社員一人一人の問題というより、会社としてのマネジメントの問題であることも少なからずあるように思います。

たとえば、緊急事態宣言下で人は外を出歩いてはいけないという話も、その人たちが悪いといって終わってしまえば物事は成し遂げられません。かれらが、外出を積極的に控えようと思うような道筋を示すことがとても大事です。国民一人一人が納得して行動するというとても難しいステップを踏む必要があります。

これを会社で実現するとしたら、政治で行うよりかは難易度は低いと思います。マスコミの邪魔も入りませんし、ある程度閉鎖された空間だからです。だからまずは、ゴールとそこへ向かうざっくりした道筋を示してみましょう。そうしたときに、ぽつり、ぽつりと協力的な社員が現れてくるのではないでしょうか。従業員のやる気を個人の問題にするということは、マネジメントの放棄になってしまうのではないでしょうか。

Mahesh PatelによるPixabayからの画像

困ったときはお客様を見よう

お客様の財布と自分の財布は違う

価値観の違いはお金の使い方の違いに

昔、セールスに関して先輩からよく言われたのは、「お前の財布と、お客様の財布は違う」ということ。当たり前の話ですが、私の収入とお客様の収入は違います。つまり、お金に関する感覚は全く違うわけです。さらに言えば、どんなお金持ちのお客様でも、価値を感じればお金を払いますが、価値を感じなければおカネは出さないということ。同じ500円のランチでも、それを安いからうれしいと言って喜んでくださる人もいれば、500円のランチに価値を感じないからもっと高いものを食べたいという方もいらっしゃいます。一つは、私たちは、どちらのお客様の満足にコミットするか。そんなところを確認していく必要があります。

まずはお客様は誰か、という問いにたいして、私たちの考え方を明確にする必要がありそうです。

お客様を観察する

人は様々な価値観を持つ人を実体験で知っているにもかかわらず、私たちはついついお客様を十把一絡げで判断しがちです。お客様は〇〇に違いないという固定観念でビジネスをしていると、いずれそれはどこかで問題を生んだり、うまくいかなかったりするようになるのではないかと思います。

ここ数年でビジネスが今一つうまくいかなくなってきた、となるとついつい外部環境の変化に着目しがちなのですが、あんがい、そういう時こそお客様の本音はどこにあるのか?ということに着目していくことが必要なのではないでしょうか。

それを知る方法は、例えば販売データやお客様ごとの購買履歴などのデータを見ることでヒントを得ることができるかもしれません。また、アンケートなどでも知ることもできるかもしれませんが、やはりリアルなインタビューであったり、雑談の中で漏らすお声であったり、日ごろの生活や事業活動の中でとられている行動パターンなどをしることで初めて気づくこともあるかもしれません。

そういう意味では、お客様とのコミュニケーションを増やし、想像力をたくましくお客様の行動についてを検討していくことも必要と思われます。困った時こそ、お客様を見るということがとても大切なように思います。

思い込みのギャップ

業界の常識は無視したほうがいい!?

以前、美容師である友人がこんなことを言っていました。「会話でお客様を楽しませるのも美容師のスキル」。確かにスキルとしては持っていたほうがいいのでしょうが、逆に、常にそういった美容師との会話を求めているか、問いえばそうとも言えないようです。私の知人の中では、「放っておいてほしい」とか「話をする暇があればさっさと終わらせてほしい」と思っている人が意外と多いように思います。かくいう私もその一人で、一人にさせてほしいと思っているのですが、理容師はどうやら話し好きなのか、話さなければならないと思っているのか、関心のない話を投げかけられます。

彼らの世界ではそれが常識なのかもしれませんが、私は「私たちは話しません」というと理髪店・美容室があれば、そこに変えたいとさえ思うことがあります。そういった業界常識というのは、少し古い世代がつくった最大公約数的なものなのかもしれません。今の私たちのお客様が変わらずそれを求めてるかといえば、そうでもないことはあるかもしれません。

私たちはどんなお客様と付き合うかを決めたなら、誰かが見出した常識ではなく、自分たち独自の視点でお客様を観察した結果、何をして、何を辞めるかを考えるべきなのかもしれません。

そして、そうしなければ、差別化などできやしないのです。

困った時にはお客様に立ち返る。当たり前のようでいてなかなかできないことですので、ことあるごとに思い出したいものですね。

社長の情報収集の範囲

同じ業種におけるベストプラクティスの限界

例えばビジネスパースンのランチ事情を考えてみる

どうしても私たち経営者は、自分と同じ業種・業態を参考にしようとする傾向があります。やたらと業界動向ばかりを気にかけるのです。もちろんそれはそれで大事なことですが、私はそれはほどほどにして、もう少し広い視野で社会を見ることをお勧めします。とても分かりやすいところで、飲食店を経営している場合のことをイメージし、ビジネス街におけるビジネスパースンのランチ市場を狙った戦略を考える前提でみてみましょう。

自分は個人で中華料理店を経営しているとしましょう。よくあるのが中華料理店でのトップと目指すというパターン。夜の会食市場ならそれはそれで存在感があるかもしれませんが、ランチとなると少し重いかもしれません。いっぽう、ビジネスパースンはお店の固有名詞からその日のランチを検討することはあまりないと思います。どちらかといえば、「今日はがっつりたべたい」とか「うどんが食べたい」とかいうことを思い浮かべると思います。そこで広がる選択肢は、ファミレス、食堂、コンビニ、ファストフード、パン屋、スーパーの総菜、ほか弁、デリバリーなど、様々です。お客様は、中華料理店の中から選ぶというより、これだけの選択肢からランチを選ぶのが一般的でしょう。

ライバルはむしろ同業者ではない

近年はとにかく様々な市場において、その多様性の広がりが大きくなっているように思います。かつては、昼食といえば食堂に食べに行くか出前かの二択程度でしたが、市場あるところには様々な業種が参入しています。飲食に限らず、多くの業界で似たような状況があるのではないでしょうか。特に、BtoB市場ではそれが見えにくいことも多いのですが、お客様が選択されるのは自分の会社の商品サービスと、同業他社だけではなく、別業態やまったくカテゴリーの違う商品が必要な機能を提供してくれるならそれも選択の一つとして検討しているケースが多いと思われます。

そんな中、サービスや商品の提供側が、同じ業界の人たちの輪の中で、「より高い技術をマスターするためには」なんて議論を繰り返していても気が付けばお客様は違うところに行ってしまっていたということもあるのではないでしょうか。

そもそも同業者においては同じ情報をお互いが共有している可能性があります。ということは差別化はできないわけです。だから、同業他社が着目しないところに着眼点を持つという歓声が大事なのではないでしょうか。

異業種のアイデアが使えることも

ファストフードと小売り

ファストフード店では今や当たり前になったドライブスルー。実はこれほかの業種でも応用できるシーンはたくさんあると思います。今一つうまく言っている感じはありませんが、私の知る範囲ではクリーニング屋さんでドライブスルー店舗を持っているところがあります。一部の地域にしか見られませんでしたが、公衆電話のドライブスルーも一時期在りました。(携帯電話の搭乗とともにその施設はなくなりましたが)たとえばスーパーなどの小売りも、事前にWEBで注文してドライブスルーで受け取るという仕組みができてもおかしくないと思っています。

まだまだうまくいっている事例は少ないですが、工夫の余地はあるんじゃないかと思います。

なんにせよ、ほかの業種で解決されたことが、自分の業種では解決されていない場合もたくさんあります。それを知るにはいったん外から自分の業界を見なければなかなかそのことに気づくことができません。ですからぜひ、業種を超えたところ、同業他社が着目しない情報を意識して集めるようにしてみてはいかがでしょうか。きっとたくさんの気づきを得られるのではないかと思います。

企業の地震保険

住宅向けの地震保険と企業向け地震保険の違い

住宅向け地震保険は政府の後ろ盾がある

日本はとても地震が多い国です。本来はそういった地震に際しての被害を最小限に食い止めるための避難訓練、BCP、建物の補強などやるべきことはたくさんあります。ただ、お金さえあれば手っ取り早くできる対策の一つが保険です。

さて、住宅に関して言えば今や随分と地震保険が普及してきています。実は一般家庭向けの地震保険においては、法律の定めに従い、政府がその後ろ盾となっています。そういった背景から、財務省のホームページにも地震保険に関する解説がされています。

地震保険制度の概要(財務省)

つまり、日本の住宅や家財向け地震保険はどの保険会社も中身も保険料も同じといえます。

企業向けの地震保険は保険会社ごとの内容

家庭向けの地震保険が国内統一内容であるのに対して、企業向けの地震保険というのは各保険会社が独自の内容で行っています。ですからそもそも、地震などの大災害においてそれを補償する体力の乏しい会社、あるいは戦略的にはそのような大きなリスクを背負いたくないという保険会社は、これを取り扱わない、あるいは表立って広告しない会社も少なからずあります。

また、ホームページなどに案内をしている保険会社でも、その都度都度に引き受け方針が変わることもあり、いつでもだれでも契約できるようなものではない、というのが実態です。

例えば火災ならば、大きな災害になったとしても都市の一区画程度の話でしょう。台風などは甚大な被害を広範囲に巻き起こしますが、建物がすべて吹き飛ばされるようなことはめったにありません。しかし、地震、とくに地震に伴う津波においては、相当な広範囲にわたり建物が全損になるくらいの被害を被ることが多く、莫大な被害が予想されます。そういった意味で、保険会社は企業向けの地震保険の販売にあまり積極的ではないことが多いのです。

大手の保険会社が背負う日本の将来

全く見過ごすわけにもいかないリスク

保険会社にとっては、企業向けの地震保険というのはとてもリスキーな商品です。ですから、安全性を考えるならそのような商品に手を出さないという選択もありだと思います。ただ、そのような大きな災害で、日本の企業が被害を受けたとき、保険会社としてもその日本の未来に対して担うべき役割もあろうかと思います。そもそも、日本の経済が破綻してしまえば保険会社と手生きていくことはできません。だから、様々なテクノロジーを駆使して保険を成立させようと腐心しています。その結果、適宜一時的な引き受け不可能地域があったり、かなり内容としては薄い内容になっている地域は在れど、保険として販売を続ける努力はなされています。

企業向けの地震保険というのは保険会社的には非常にリスクが高いので、扱いはある程度セーブしつつ、しかし、一方で国の未来のために貢献したいというジレンマの中で販売されているため、あまり一般的に情報が出てこない印象があるのではないかと思います。

こちらでは、当社が取り扱った事例について動画にてお話しさせていただいております。ご興味のある方はご覧ください。

無難な選択か、楽しい選択か

リーダーとしての決断の価値基準

社長の仕事は決めること

社長の仕事は決断である。そう説くリーダーはけっこうたくさんいらっしゃいます。じゃあその決めるという動作は、どうやってやればいいのでしょうか。無数の選択肢の中でどうするか。いろんな可能性がある中で、やるかやらないかをどう決めるか。人はその価値基準を自分の中に持っているはずですが、人によって一定の傾向がみられるのではないかと思います。

それは、無難な選択を選びがちな人と、人が選ばないものを選ぶ人、ということになるのかもしれません。

責任と選択はつながっている

何の責任も負わなければ、決断なんて決してむつかしいものでもありません。適当に決めればいいだけなのですから。しかし決断が難しいのは、その結果の責任を持たねばならぬところでしょう。経営者の決断は、時として会社の屋台骨を揺るがすような事態につながることもあれば、会社が躍進するきっかけになる事もあります。そして意外と理不尽なのは、良い決断ができたときに受け取るものと、間違った決断で負うものを比べると、どちらかと言えば間違ったときの負の責任のほうが大きいことが多いような気がします。

ところで、私たちは責任を持つべく選択するから、傾向として「つまらない選択」をしがちではないか、とときおり思うことがあります。ありがちな選択、世間的に認められやすい選択、結果が出なくても言い訳しやすい選択を、私たちはとりがちのような気がします。

無難な選択は自分の選択とは言えない

自分の力を試したいならば……

実は多くの経営者は、比較的無難な選択をすることが多いのではないかと思います。その双肩には、会社であったり、そこに集う従業員であったり、様々な人たちのことを考えて会社を運営している以上、会社をリスクにさらすわけにはいきません。だから、無難で、堅実な選択を行いがちです。しかし一方で、それなりに大胆な結果を求めるとすれば、実は大胆な選択をする必要が出てくるのではないでしょうか。誰もが選ぶ無難な選択ではなく、独自の路線を創り出す必要があるのです。

そもそも無難な選択というのは、経営者自身の選択とは言えません。そこを乗り越えて、リスクていくするところまで来て初めてその経営者の個性が出る、と言えるのかもしれません。

もちろん、無難な選択を続けて任期を終えるまで冒険しないという選択肢もあります。ただそれで物足りない経営者は、選択肢を「オモシロソウ」なものに変えるだけで一気に世界が変わってくると思うのですがいかがでしょうか。

経営者に大事なひとりの時間

独自性の高いアイデアはどこで生まれる?

事件は会議室ではおこらない!?

かつてのドラマの名セリフ、「事件は会議室で起こっているわけではない」というもの、経営においても現場を大事にされる方は深く納得される方が多いと思います。確かに現場にはたくさんのヒント(サスペンスドラマで言うなら証拠品など)があります。それを丹念に調べ積み上げていくことはとても大事なことだと思います。一方で、何か新しいことを始めようと考えるとき、現場……つまり過去の積み上げとは違う次元でのアイデアが求められることがあります。

たとえば問題が起きたとき、その問題が起きた次元では解決できない、というようなことをかのアインシュタインが言ったとされています。そうすると、現場を超えた視点で物を見る必要があります。そういう意味では、机上の空論もあながちバカにできない存在ではないかと思います。

アイデアはいつどこで生まれる!

会議室に人を集め、比較的フリーな感じで意見交換を行うと、言葉の壁打ちをやっているかのように今までとは思いもよらないアイデアを思いつくこともあります。複数の人で一つのテーマで考えるとき、比較的有名なのがブレインストーミングでしょう。みんなで順番に意見を出します。意見の質はまったく問わず、とにかく思いついたことをどんどん発言する。これは人の意見を聞くことで、新たな自分の思考回路を働かすということで、とても幅広い意見の応酬が可能になります。

そういった手法も大事ですが、一方で、リーダーがアイデアを生み出すときというのは案外ひとりの時が多いのではないでしょうか。一人で考えて、まとまらない時に人の手を借りる。そしてまた一人で考えて、みんなに諮る。そんなサイクルを繰り返しているケースがけっこう多いのではないでしょうか。

アイデアが出せる場所に入り浸るのもアリかも!?

会社の自席でいいアイデアが出るのか出ないのか?

仕事の仕方、アイデアの出し方は人によってさまざまだと思います。会社の自席に座らなければ、じっくり考え、集中できないという人もいるかもしれません。逆に、会社に居ると、いろんな雑音が耳に入り、思考が中断されるという人もいるでしょう。

そういった状況があるならば、リーダー層は自分がどの場所で、どういうシチュエーションの時にいつもアイデアが湧いてくるのかを知っておくことが大事ではないかと思います。カフェでぼんやりしているとき、風呂に入っているとき、ランニングをしているとき、クルマを運転しているとき……などなど。

私の場合は車の運転時が一番多くて、あとはボーっと散歩しているときだったりします。

場所を選ばない働き方

たとえば、リーダー層が次々とアイデアを生み出す場所が、オフィスではなくカフェだったとしたら、会社の利益を考えるなら無理にその人に出社してもらうより、カフェにこもってもらうほうがいいわけです。かつてはそんな働き方は許されなかったのですが、近年それがだんだんと定着し始めていると思います。

そういう意味では今のテレワークとか、働き方改革というのは、一人一人を最大限に活かすにはどうすればいいか?ということを考えながら進めるととてもいい効果を発揮しそうに思います。これまでは、会社のルールに社員を押し込めてきた感じですが、社員一人一人を活かすにはどうするか?ということに会社が関心を持つきっかけになっているような気がします。

今、会社と社員の関係がとても大きく動いているということなのでしょうね。

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